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【JAZZ】 2014.06.29 (Sun)

ハービーの『ウォーターメロン・マン』

H・ハンコック『takin off』

 今年最初のスイカを食べました。
 それを記念して、生ジャズ演奏のお店で 『ウォーターメロン・マン』 をリクエストしました。
 オリジナルは現代ジャズ界の総大将ハービー・ハンコック、そのファースト・アルバム 『Takin' Off 』 (1962)より。 ≪amazon試聴ページ≫

 「Ooh~, Watermelon man♪」
 ハービーが子どものころに聞いた、スイカ売りの売り声がモチーフになっているんだそうです。
 トランペットは盟友フレディ・ハバード、テナー・サックスはベテランのデクスター・ゴードン。 ハバードのやんちゃ小僧ぶりと、のっそりゴードンさんの対比がおかしい。

 アルバムは、'50年代黄金の 「ハード・バップ」 のスタイルを採りながら、’60年代最新の 「モード・ジャズ」 な雰囲気もうっすらと。初めてお好み焼きにマヨネーズをかけた時のような、時代が変わっていくその瞬間を味わえます。

 クラシックからロックから電子音楽からヒップホップ(これも超有名な『Rock It』)まで、いともたやすく音楽を飛び越えていくハービー感性のネットワーク。
 本作はブルースにロックの8ビートを乗せた威勢のいい曲なので、お店でリクエストするとき時間とムードに気を使いました。(追伸・・・後日またやってくれたそうです。楽しいもんね。)

♪  ♪  ♪


 
 【YouTube】 サントリーウィスキーホワイトCM ハービー・ハンコック

 ハービーのブルージーなピアノもかっこいい!
 まだサントリー社のCMが、雲の上のステータスだった時代の一本。
 関連動画、ベースのロン・カーター版も大人のあこがれ。(彼もまたハービーの盟友 「VSOPクインテット」 の一員。)
 ・・・無断で動画を載せてごめんなさい。

 
17:37  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2014.01.15 (Wed)

『ムーン・リバー』をジャズ・メッセンジャーズで

A・ブレイキー『Buhainas Delight』


 アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ『ムーン・リヴァー』
 アルバムは1961年の 『ブハイナズ・デライト(Buhaina's Delight )』 に収録。・・・ということは、同年 『ティファニーで朝食を』 公開すぐのカバーだったんだ!

  Amazon試聴ページへ

 今だったらミーハーになりかねない、あまりにポピュラーすぎるスタンダード曲。でもそこは、ブレイキーおやじの豪快に轟く “ナイアガラ” ドラムがめちゃくちゃカッコいいんだ! これがスリリング&どかーんと効いてる。これだけで惚れた。(上の試聴ページでは聴けないけど、代わりにタイトル曲『Bu's Delight』が同じくらいかっこいいよ!)

 音楽監督ウェイン・ショーター(sax)の音作りも素晴らしかった。今まで、優等生すぎてあまり面白みを感じなかったショーターですが、ようやく魅力が伝わった。

 ジャズ・メッセンジャーズといえば、先代のリー・モーガン(tp)やベニー・ゴルソン(sax、音楽監督)が活躍したファンキーばりばりの'50年代が大好きなんですが(『モーニン』がつとに有名ですね)「新主流派」 と呼ばれる若い才能を迎えたこの第2次黄金時代は、打って変わって知的なスウィング感、やわらかさと洗練を感じさせてくれます。
 続くトランペットは、ぼくの好きなフレディ・ハバード。ほとばしるペガサス流星拳を期待したけど意外とおとなしめ。

 ・・・自分は好きなだけタイコ叩いているように見えて、時代時代であれだけのスターを発掘して、その才能に身をあずけた御大ブレイキー。あらためて親父っさんの目利きぶりと寛大さに感服つかまつりました。
 だからメッセンジャーズ・ファンはやめられない。
 
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【JAZZ】 2013.06.12 (Wed)

ミルト・ジャクソンの、ルパン三世ふうジャズ

ミルト・ジャクソン『レヴァレンス』

ミルト・ジャクソン 『レヴァレンス (1993)』


ぼくにとってジャズの原体験、そのひとつはまぎれもなく 『ルパン3世』 のテーマです。

(追記・・・いちばん知られた第2シリーズ。通常版、歌つき版と、ジャズ版がありました。)

つややかなヴァイブ(ビブラフォン=鉄琴)と、華やかなホーン・セクションの

掛け合いがセクシーでゴージャス。

ジャズに興味ない人も、この曲をかっこいいと思っている人は少なくないはず。

明治 『きのこの山』 の歌でも有名な作・編曲家、大野雄二さんの代表作です。


ジャズに親しむようになると、曲調の似た演奏をずーっと探し回りました。

もちろん真っ先に飛びついたのが、最高のヴァイブ奏者ミルト・ジャクソン。

そして晩年の作品 『レヴァレンス』 に見つけました。冒頭、同名のタイトル曲。


 米≪ARTIST direct≫試聴ページへ


・・・うん確かに、っぽいかな。

若々しい 『ルパン』 のスリル感・疾走感にはかないませんが、洗練されたオトナの雰囲気。

『カリオストロの城』 の 「おじさま」 ルパン?


長年在籍したモダン・ジャズ・カルテット(MJQ)時代とはひと味違う、

角のとれた煮切りみりんのようなまろやかさを感じさせてくれます。

今もCD聴いてます。カッコいい。


そのCD、長く廃盤だというのがもったいないし、くやしいなあ。

『ルパン』 ファンには人気が出そうなものを。

 
00:25  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2013.01.31 (Thu)

追悼デイヴ・ブルーベックの 『テイク・ファイブ』

D・ブルーベック『タイム・アウト』

 昨2012年末に亡くなったジャズ・ピアニストのデイヴ・ブルーベックさん。1950年代のアメリカ西海岸発、白人主導によるオシャレな 「ウェストコースト・ジャズ」 の象徴的存在。

 ブルーベックといえば、何と言っても名曲 『テイク・ファイブ』
 変則の5拍子のリズム。
 条件反射で、つい一緒になって5拍子を刻んでしまいます。 ラヴェル作曲 『ボレロ』 の“小太鼓”と同じ、音楽好きのお約束。

 初めて聴いたのが1980年代、話題になった 『アリナミンV』 のCM曲として。⇒【YouTube】検索ページへ
 まったく泥臭さを感じさせない、都会的な清潔感が、とにかくめちゃくちゃカッコよかった。同じ大都会でも、タバコもくもくのダウンタウンのクラブより、現代的な超高層・全面ガラス張りの摩天楼がよく似合う。

 作曲は、名パートナーのポール・デズモンド(sax)の名義ですが、「デイヴ・ブルーベック・カルテット」 総意のたまもの。 とくに、頭でっかちになりがちな曲群にあって、華やかなバチさばきで遊び心を加えたドラマー、ジョー・モレロがえらい。 (・・・あらためて見ると、全員メガネくんだ。)

 ただ、決して大衆的でもないし俗っぽく日和ってたわけじゃないのに、あまりに売れたものだからコアなジャズ・ファンからは軽んじられていたきらいも。 ぼくも学生時代、友達がバイトしていたバーで 「この曲かけてくれ」 としきりに頼んだものですが、ミーハーだとずっと却下され続けてました。
 かしこすぎた、スマートすぎたのがこの人の不幸だったでしょうか。

 それでも、サッチモやグレン・ミラーしか知らなかったぼくのような多くのジャズ初心者を、モダン・ジャズの世界にいざなってくれたブルーベック。その功績は、どんなカリスマと比べても変わるものではありません。


 『テイク・ファイブ』 は、そのものズバリ 「変拍子」 を意味する傑作アルバム 『タイム・アウト』(1959)に収録。
 正規の音楽教育を受けた人だけあって、音楽理論を駆使した技巧は折り紙つき。 めくるめくリズムのワンダーランド。

 『Three To Get Ready』 は7拍子。
 『トルコ風ブルーロンド』 は2、2、2、3の9拍子。
 ・・・後年の 『The World's Fair』 という曲はなんと13拍子!

 だけど決して堅苦しさを感じさせないどころか、初心者もすんなり聴きやすいのが 「デイヴ・ブルーベック・カルテット」 の魅力。ほか、ディズニーの名曲群をフィーチャーした 『デイヴ・ディグス・ディズニー』 なんかもその1枚です。


 
23:27  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2012.06.09 (Sat)

ジミー・スミスのジャズ煮込み

J・スミス『ザ・サーモン』


 いま、ジャズ・オルガンの第一人者ジミー・スミス(1925-2005)にどっぷりハマっています。
 「ブルージー」「ファンキー」「ソウルフル」「アフロティック」・・・・ゴリゴリのギトギトの、黒人ならではの体臭あふれたつジャズ肉食獣。 一番知られているとすれば、マイケル・ジャクソンの 『BAD』。間奏部のオルガンを弾いているのが彼です。

 問答無用の大ヒット作 『ザ・キャット』 も大好きだけど、もうひとつの代表作 『ザ・サーモン』!! (1957-58)

 アート・ブレイキー(ds)、ケニー・バレル(g)、リー・モーガン(tp)、ルー・ドナルドソン(as) らが豪華競演。 各人が好き勝手にやらかす、これぞジャズのホルモンごった煮込み。

 ブレイキー親父が刻む、下品な !? ドラムのリズムなんか、ジュージュー焼ける肉の音さながら。
 座長J・スミスのハモンド・オルガンは、鍋底でコッテリ煮詰めた肉汁グレービー。
 アルト&テナーの両サックスはハリキリすぎ。(※2曲目 『J.O.S.』 に入る 「Beee--p!」 とつんざくオルガン音は、「いい加減やめろ!」 という座長からの警笛??)

 ・・・こんなの食ってたら、60歳まで体がもつまい。でもクセになっちゃう脂身の魔力。K・バレルとL・モーガンの洗練で、何とか栄養のバランスを保っています。

 ちなみに 「サーモン」 は 「鮭(salmon)」 ではなく 「お説教(sermon)」 という意味。1曲10分も20分もクドクドやって、3曲しか収録していないこのアルバムにぴったりで笑える。そのくらい、しっつこい大傑作です。

 ぜったい好き嫌いが出そう。

 
10:49  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2012.01.22 (Sun)

and, ジョン・コルトレーン

バグス&トレーン
トレーンとバグス

 ジャズ・サックス史上最大の巨人ジョン・コルトレーンは、他のいろんなジャズ・ジャイアントとの共演作を残しています。
 もともと下積みが長かったので、売れてからもサイドマンとしてあちこち顔を出していた。 勉強熱心な人だ。 また、人様の軒下を借りているので、奇をてらわず親しみやすい演奏が多い。 「はじめてのコルトレーン」 にもぴったりです。
 そこで、ぼくが知っている主な 「○○・アンド・コルトレーン」 作品を聴き比べてみました。

♪  ♪  ♪

 『セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン』 (1957)
 哲人モンクの下で学んだコルトレーンが、その師匠と肩を並べた事実上の出世作。
 ぼくはモンクの、あのトツトツとしたピアノがどうにも苦手です。ホント受けつけないんです。 ただ、後に 「シーツ・オブ・サウンド」 と呼ばれた音の洪水コルトレーンとは真逆の芸風に思っていたのですが、底辺でその哲学は通じ合っていたのかな、それくらいは感じました。
 ちなみに、あのタモリさんはぼくと逆の好み。大のモンク信者で、トレーンは 「はっきり言ってキライ」…だそうです。


 『ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン』 (1958)
 バレル(guiter)やトミー・フラナガン(p)ら、気心の知れあった仲間たちと軽やかに飛ばす快作。
 ぼくは 「機会均等」 を旨とする 「インタープレイ」 演奏より、俺が俺がとバトルしあう方が好きなのですが、これはインタープレイの理想的な成功例でしょう。 リーダー2人だけではなく全員が主役。 飛び出せ青春。
 この中では下の 『バグス&トレーン』 と並んで一番好き。 気軽に日常のBGMにできるヘビローな愛聴盤です。


 『バグス&トレーン』 (1959)
 ヴァイブラフォン(鉄琴)の第一人者、「バグス」 ことミルト・ジャクソンとの華やかな共演。 (※上の写真)
 両雄の正面衝突は避けた様子で、これもバトルというよりスマートに仕上がっていますが、演奏はスリリングでスピーディ。 ミルトのヴァイブはクリアーに冴えているし、トレーンも力強く自信に満ちている。 だからこそ、もっと両雄のカラミが聴きたかった。
 1959年は、歴史的名作 『カインド・オブ・ブルー (M・デイヴィス)』 と 『ジャイアント・ステップス』 の年。 コルトレーン版 「傑作の森」 時代の充実した一枚です。


 『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン』 (1962)
 まさか、生ける伝説エリントンともやってたんですね。この名前が並ぶこと自体が想像できない。
 カルテット編成の中で、老エリントンはブルージーなソロ・ピアノ。日進月歩のジャズ界の最先端ではなくなったけど、黄金のビッグバンド時代とはまた違った味わいがあります。
 コルトレーンほか若手たちは、そんな大先生にあわせた温かい雰囲気。 企画モノと言えばそれまでですが、ファンへのごほうび感にあふれた佳品です。


 『ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン』 (1962)
 コルトレーンは年々、芸術的・哲学的な音作りにのめりこんでいく一方で、同'62年の人気作 『バラード』 など親しみやすい作品も数多く残しています。
 ボーカルのハートマンが中尾彬みたいな甘い重低音でささやく本作は、ジャズ・ビギナーも聴きやすい一枚。コルトレーンも正統派な演奏でとても分かりやすい。
 この頃になると、コルトレーンの方が名前が先になってますね。

♪  ♪  ♪

 ・・・ほか、兄貴分のマイルス・デイヴィスとも連名でやっているのですが、あれこれあるので省略しました。
 こうして見ると、相手に合わせる謙虚でおとなしい性格のトレーンですが、その兄貴マイルスの 『いつか王子様が ('61)』 の客演では、バリバリと最先端モードでぶっ放して、マイルスたちを置いてけぼりにしています。
 きっと、怒らせるとコワいタイプだったんだろうなあ。

 
17:13  |  JAZZ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

【JAZZ】 2011.10.14 (Fri)

電子マイルスの 『On The Corner』!

マイルス『オン・ザ・コーナー』

 
今2011年は、ジャズの帝王マイルス・デイヴィス没後20年だそうです。命日は9月28日。


歴史を刻んだ傑作は十指に余りますが、一番好きなのは、エレクトリック・フュージョン路線に傾いて

当時のジャズファンを置いてけぼりにした 「電化マイルス」 時代の問題作・・・

『オン・ザ・コーナー』 ! 1972年!

ぼくは同時期の 『パンゲア (1975)』 も 『ビチェス・ブリュー (1969)』 もよく分からなかったが、

これだけは理屈抜きにカッコよかった!


リズム、リズム、リズム、リリリズム、リズム、リリズム。


主役はあくまでファンクのリズム。 複雑で感覚的なリズムを刻むベースとドラムスであって、

マイルスのトランペットも豪華サイドメンのプレイも、風に浮遊するフリルのような装飾品。


マイルスは人の手柄を自分のモノにするのが実にうまかった (褒めてます) が、

ここでもファンクの洗練度は、本家本元スライ・ストーンを超えてるんじゃなかろうか。


時代を先取りしすぎて今カッコいいんだから、好き勝手やっただけに見えてもやっぱりマイルスはえらい。

そしてどなたかは存じませんが、マイルスに手柄を取られた本当の作曲者もえらい。


・・・賛否両論のリアルタイムを知らないぼくにとって、「電子マイルス」 は自然でした。

もはやジャズじゃなくてもいいのだ。


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 ブルーレイ技術でリマスタリングしたという最新盤は、めちゃくちゃ音がいい。


 
20:36  |  JAZZ  |  コメント(1)  |  EDIT  |  上へ↑