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【この本!】 2006.02.09 (Thu)

手塚治虫全集~手塚後期を語らせて

  
 手塚治虫全集、読めども読めども終わりません。

 「アトム誕生の年」 2003年ごろから続く、一大Myプロジェクトです。

 その『鉄腕アトム』 や、『ブラック・ジャック』 のような代表作はいつでも読めるので、

 マイナーどころから攻めていくうち、ドロ沼にハマってしまいました。

 (三洋電機 『電子夫人』、やっと見つけたァ!)


 そこで今回は、ちょっと一休みして ぼくのお気に入り、

 『火の鳥・鳳凰編』 『ブッダ』 『アドルフに告ぐ』 を再読。

 創作年代でいうと、1960年代後半から80年代にかけてです。


 この頃は、『あしたのジョー』 『巨人の星』 など劇画世代が一世を風靡し、

 手塚ワールドが急速にすたれていった、いわゆる“冬の時代”。

 (子飼いのアシスタントから「先生のマンガはつまらない」と言われ、

  自室に退がってひとり身悶えて泣いたというエピソードは壮絶!)

 だけどこの時代の、手塚がのたうち回りながらしぼり出した作品群は 一読の価値があります。

 今でも(今こそ)サビつくことなく心に突き刺さります。


 『火の鳥・鳳凰編』 の、初志を忘れた芸術家、

 『ブッダ』 の、死に際してなお悩む“目覚めた人”

 どっちも手塚本人の悪あがきそのもの・・・。

 だけど手塚の本質はそこにあります。

 マンガの“神様”なんかじゃなくて、人間すぎたんです。

 オレは何でも描ける! もっとマンガ界の頂点にいたい!・・・まさに煩悩のかたまり。


 '80年代、晩年の秀作 『アドルフに告ぐ』 あたりまでくると、さすがに煩悩は薄れています。

 『ブラックジャック』 で奇跡の大復活を果たし、かつて自分を脅かした後輩からも惜しみない賛辞。
 
 やっとマンガ界に腰をおろす余裕ができたのでしょう。

 逆に言えば、そんな歳になるまで手塚は走りまくっていた!


 いま、アニメで続々とよみがえる手塚作品、いろんな解釈で描かれています。

 大いにけっこう。子供たちに愛されているなら。

 だけど“冬の時代”作品のファンとしては、ちょっと複雑です。

 正義や名声にあぐらをかくだけなんて、ぼくの手塚じゃない。


 もっとも、本人が生きてたら 一番ノリノリで作ってそうで。

 それくらい、この“神様”は人間すぎたんです。

 そこがおもしろいところ、なんでしょうが・・・。

 
 (関連記事 『火の鳥・手塚編』が見たい。

 
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07:50  |  この本!  |  コメント(2)  |  EDIT  |  上へ↑

*Comment

■Re: 手塚治虫全集~手塚後期を語らせて

神様からバイセクシャルまで本当になんでも描かれてましたね。私は初期も後期も好きですが、「ムウ」かなやはり好きなのは。。あの結末は他の多くの作品に真似されていたように思う。あの後が読みたい(笑
moon |  2019.02.02(土) 11:20 |  URL |  【コメント編集】

面白い記事でした!
ベルルミエール隆司 |  2019.11.30(土) 18:51 |  URL |  【コメント編集】

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