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【このアート!】 2006.03.30 (Thu)

モネ 『日傘の女』

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有名なモネの絵画、通称 『日傘の女』 が好きです。

ただ、この絵は計3種類あります。1875年作が1枚と、1886年作が2枚。

ぼくが好きなのはそのうち1枚だけ、

最初に描かれた、“子供つき”の絵だけです。

1875年作。米ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。


ふと呼び止められてこちらを向く日傘の女性と、ちょこんと顔を出した子供。

風に揺れる白いドレスの、肉厚な立体感。

モデルは妻カミーユと息子ジーンです。


ぼくは小さい頃、カミーユの顔をおおう白い線は “風”だと思っていました。

まあ、いかにもマンガっ子らしい発想です。

本当はヴェールなんだそうですが、ぼくにとってあれは“風”です。譲れません。


この作品から4年後、カミーユは32歳の若さで亡くなりました。

モネはその最期の瞬間を絵に残しています。題して 『死の床のカミーユ』。

妻の死を正視しているのです・・・。



・・・カミーユの死からさらに7年、1886年に描かれた2枚の 『日傘の女』。

どちらかといえば、これらのほうが有名でしょうか。

オルセー所蔵だから、注目されやすいのかな?

いえいえ、「光を描く」 という彼のテーマからすれば、これらのほうが断然こなれています。


でも、ぼくの心には引っかからずじまいでした。

女の顔を見れば一目瞭然。

有名な話ではあるのですが、早い話、のっぺらぼうなのです。


新しい 『日傘の女』 のモデルは誰だか分かっています。のちに義理の娘になるジュザンヌ。

モネにとって大切な存在であることに違いありません。


しかしここに描くべきは愛する妻カミーユ、どうしてもほかの顔を描く気にはなれない。

いや、描くからには、最初は割り切っていたのでしょう。でも最後の最後に思い出したのかもしれません。

単に光との一体感をテーマに描いただけ、という考えは他に譲ります。


その後モネは、ジュザンヌの母と再婚し、幸せな生活を再び取り戻しました。

以来、この絵の中はずっと晴れています。

 
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