FC2ブログ

【アメリカ映画】 2006.07.25 (Tue)

チャップリンのラスト・シーン

 
 チャップリンはラスト・シーン作りの名手なのでしょうか。いずれも映画史上に残る名場面ばかりです。

 『独裁者(’40)』 の大演説は心を打つし、隠れた名作 『サーカス(’28)』 も放浪紳士にふさわしい幕切れ。(なにぶんラストなので詳しく説明はできませんが、興をそがない程度に・・・)
 また 『モダン・タイムス(’36)』 では、画面が切り替わったとき人物の影の向きが逆になっている・・・というのは、映画の間違い探しクイズでもよく取り上げられる有名なシーンです。

 ※ただこれ、実はチャップリンが意図していたとの説も。
 前者は朝日で後者は夕日、一日中歩き続けたとすれば、つじつまが合う・・・と、先日NHK教育の番組で解説されていました。ロケ地の検証もあり、なかなか説得力がありました。
 また、サントラ盤によるとこの場面のBGMのタイトルは 『Into The Sunset (夕陽へ)』。・・・納得。



 しかし名場面中の名場面といえば、やはり 『街の灯(’31)』!!
 すべての映画を通じて、ぼくが最も好きなラスト・シーンです。気持ちがギスギスしている時に観ると、きまって心が洗われます。
 今ではチャップリンとその作品を、「愛と平和を説いた人類の宝」とする讃辞がもっぱらですが、ぼくが好きなのは、人の食い物をくすね、子供相手に本気でケンカするチャーリー。そういう人間の美醜が作為なく描かれているからこそ、素直に心洗われるのです。

 しかし本作以後、『モダン・タイムス』 『独裁者』 と、次第に政治色が濃くなっていくのはご存知の通り。ふたつの大戦にはさまれた激動の時代に、チャップリンも否応なく飲み込まれていきました。
 次作 『モダン・タイムス』 の 「社会派」 チャーリーは、今までの自由で無邪気な主人公とはすでに異質。だから 『街の灯』 は、「放浪紳士チャーリー」 の最期・遺作といっても過言ではありません。

 『街の灯』 の感動的なラスト・シーンは、残酷な現実の始まりだという意見もあります。そうかもしれません。
 でもそんな 「後付け」 の 「深読み」 になど、ぼくはいっさい賛同しません。ぼくは、あんないいヤツの最期くらいは、美しい夢のままで終わらせてあげたいと思っています。

 
関連記事
23:54  |  アメリカ映画  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

*Comment

コメントを投稿する (ログイン不要/コメントは承認後に表示されます)

URL  未記入でもOK
コメント
パスワード  あなたの編集・削除用。適当な文字を。
内緒  管理人だけに表示
 

▲PageTop