【日本映画】 2015.10.25 (Sun)
クロサワ版マクベス

黒澤明 監督 『蜘蛛巣城』 (1957年 東宝)
黒澤映画の中で一番好きな作品・・・といえば、やっぱり 『七人の侍』。
古今東西、全映画の中でも別格の域に入る大傑作です。
じゃあ、2番目に好きなのは何だろう?
『用心棒』? 『生きる』?
・・・最近は、『スターウォーズ』の元ネタとして知られる 『隠し砦の三悪人』 も人気だ。
でもぼくは、少々マイナーながら 『蜘蛛巣城』 (くものすじょう)が好き。
「やがて一国一城の主になる」と魔女から予言された武将が、野心と猜疑心に駆り立てられるまま、権力の座を腕ずくで奪い取っていく・・・
・・・という、シェイクスピアの4大悲劇『マクベス』を、日本の戦国時代に移して翻案した物語。
主演は三船敏郎、山田五十鈴、千秋実。
もともと原作が好きという理由もあるのだが、それにしてもクロサワ版 『マクベス』 はよく出来ている。
原作を巧みに換骨奪胎しながら、物語のテーマは的確に消化。
野望にまい進する驍将に見えて、一皮むけば胆の小さなつまらぬ男マクベス。
(そこがじつに等身大・人間的でもある)
そんな優柔不断の夫をそそのかす“マクベス夫人”を演じた山田の、鬼気迫る演技に圧倒!
そして黒澤を語るとき必ず話題になる、壮絶なクライマックス。
ただし! 録音があまりにひどく、セリフが聞き取りにくいのが致命的。
公開当時も、「(字幕をつけられる)海外ウケしか考えていない」 と叩かれたらしい。
そこで今のDVD版には、日本語字幕の機能がついて、ずいぶん分かりやすくなったのだとか。
手持ちのビデオは、ヘッドフォンをつければ何とか聞き取れる。
だからどうしようかな、DVD買おうかな、と迷っている今日この頃。
ぼくもマクベス同様、手早く事を決めるには、人肌の乳で育ちすぎたようです・・・。
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