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【欧州&世界映画】 2006.10.20 (Fri)

死刑台のルイマルとマイルス

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 フランス映画のヌーヴェル・ヴァーグ<新しい波>、名作中の名作 『死刑台のエレベーター』(1957仏)。 何度目かはもはや忘れましたが、今回はざざっと観ました。


 共謀して夫を殺害した社長夫人とその愛人。しかし周到に用意された完全犯罪計画は、意外なところからもろくも崩れていく…。



 ルイ・マル25歳の監督デビュー作。主演はジャンヌ・モローモーリス・ロネ
 J・モローは決して美人とはいえないけど、妖艶な気だるさにすっかり参ってしまった。フランス映画史上屈指の 「魔性の女 <ファム・ファタール>」。
 いきなり大写しの彼女に「ジュテーム」とささやかれたら、M・ロネ演じる愛人ならずとも、夫殺しをそそのかされるだろう。
 あぁ、その声だけでも連れて行きたい!

 それから忘れちゃならない、ジャズの帝王マイルス・デイヴィスの音楽も、最高にカッコイイ!
 ミュート(消音器)をつけたトランペットによる、クールに抑制された即興演奏は、まさにマイルスの真骨頂。サントラはジャズ史&映画史に輝く名盤中の名盤。ご多分にもれず、ぼくのモダン・ジャズ入門になりました。


 渇いた都会をすれ違う女と男・・・。ラスト・シーンで結ばれたその愛のかたちは、皮肉にも自らの身を滅ぼすものであった。
 犯罪サスペンスといっても論理的な謎解きを楽しむものではなく、そこにあるのは茫洋たる愛と人生のはかなさとあやうさ。第2次大戦を経て、インドシナやアルジェリアの独立戦争で疲弊しきったフランスの倦怠感が漂っている。
 物語をかき回す、あまりにも幼稚な若いカップルは、この不毛と断絶の時代の犠牲者なのかもしれない。

 時代をつかんだ当時25歳のルイ・マルには、何度みても感心しきりです。


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