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【欧州&世界映画】 2006.11.28 (Tue)

ヴィスコンティにおぼれて

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 今2006年はイタリアの映画監督ルキノ・ヴィスコンティ(1906-1976)の生誕100年。 誕生日は11月2日。記事にしようと思っていたのに、すっかり忘れていました。
 学生時代はその華麗で耽美な世界に、ずいぶん熱中したものです。

 先日、『夏の嵐』('54伊)を久々に観ました。
 しょっぱなから、金色に輝くフェニーチェ劇場(でしょ?)の壮麗なこと! (遠近両方に焦点を合わせる)パン・フォーカス技法を用いた構図も素晴らしい。
 時は19世紀、戦争に翻弄される貴婦人と将校の悲恋を描いた、スケールの大きなメロドラマです。


 主演はアリダ・ヴァリファーリー・グレンジャー
 ヒッチコック・ファンとしては、グレンジャーといえば 『ロープ('48米)』 『見知らぬ乗客('51米)』 に主演した、普通の兄ちゃん。この作品ではとても美しく撮ってもらっていますね。
 ほかにも 『ベニスに死す』ダーク・ボガード『ルードヴィヒ』ヘルムート・バーガー、遺作 『イノセント』ジャン・カルロ・ジャンニーニ・・・。他の監督作品では野暮ったい兄ちゃん&おっちゃんも、ヴィスコンティの手にかかれば美しくセクシーな殿方に。

 一方、本作のヒロインのA・ヴァリや、世紀の美女クラウディア・カルディナーレといった女優たちの美貌は、あまり印象に残らない。(演技は別にして)
 その理由は有名なのでいちいち言いませんが、男の美しさを追い求めたヴィスコンティと、女優を美しく撮ることには定評があったヒッチコック (『パラダイン夫人の恋('47米)』のヴァリは美しかった)、その対極の性癖を比べるたび、なんだか可笑(おか)しくなります。


 決して多作とはいえないヴィスコンティ、ぼくは晩年からさかのぼって、その作品をむさぼり観ました。ただ、初期の社会派“ネオ・レアリスモ”時代に至るころには、盟友ロッセリーニやデ=シーカ作品に傾倒。
 とにかく、若い頃のいい思い出です。その滅びの美学に耽溺しきらずにすんで、かえって健康的だったかもしれません。

 
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