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【アカデミー賞全作品】 2014.03.07 (Fri)

『カサブランカ (1942米)』

 第16回アカデミー作品賞~~「君の瞳に乾杯・・・の始まりだな」

16 カサブランカ

 ≪感想≫
 「昨夜はどこにいたの?」 「そんな昔のことは忘れた」 「今夜、会える?」 「先のことは分からない」・・・カッコイイ! 名ゼリフ&名シーンの宝庫!

 映画の中のボギーにめちゃくちゃ憧れて、ミスター・ジュンコのトレンチコート買いました。洋書のスクリーンプレイを取り寄せて、ボロボロになるまでセリフを覚えました。アメリカ美女に 「何考えてるの?」 「1ペニーの価値もないことさ」 とやったら、お愛想まるだしで 「ワオ」 って吐き捨てられたこともありました。映画スターの真似なんて身の程知らずと知った、ハタチごろの恥ずかしい思い出です。

 ・・・はさておき、出来のいい翻訳バージョンを見つけてもらいたいです。仕事が安っすい廉価DVDなんかで観ないでほしいなぁ(ニコ動の投稿はたぶんこれだろう)。手持ちの2版、NHK関美冬版は原語に寄り添ってなくて愛がない。VHSソフト岡枝慎二版はけなすほどじゃないけど凡庸。
 しょうがないからぼくは今回、海外動画サイトをさがして字幕なしで観ました。 We got it back last night・・・忘れていたものが甦りました。

 オスカー度/★★★
    満足度/★★★



 『カサブランカ (1942米)』

 監督/マイケル・カーティス
 主演/ハンフリー・ボガード (リチャード・ブレイン)
      イングリッド・バーグマン (イルザ・ランド)
      ポール・ヘンリード (ヴィクター・ラズロ)
      クロード・レインズ (ルノー署長)
      ドーリー・ウィルソン (サム)

 ≪あらすじ≫
 第2次大戦下の仏領モロッコ。その中心都市カサブランカは、ヨーロッパの戦乱を逃れて渡米を求める人々であふれていた。ここで酒場を営むリックは、そんな彼らを支援する顔役のひとり。
 ある日、反ナチ運動の指導者ラズロが彼のもとを訪れる。ナチに追われるラズロもまたアメリカへの亡命を求めるのだが、その妻として付き添うのは、リックのかつての恋人イルザだった。

 ≪解説≫
 ボギーのダンディズムとバーグマンの美貌、挿入歌 『時の過ぎゆくままに』 のメロディに、霧の空港でボギーがささやく名ゼリフ 「君の瞳に乾杯!」・・・。撮影と脚本執筆が同時進行する慌しい現場だったそうだが、先ほど 「アメリカ映画史上最高の脚本」 にも選ばれた、ハリウッドの王道(※)を築きあげたラブ・ロマンスの古典。
 (※)以下ネタバレ…。「過去のある一匹狼が愛する女性を助けながらも、彼女のために自分は身を引き、悲しみを隠してひとり去っていく」・・・というパターン。『シェーン('53)』 『ストリート・オブ・ファイヤー('84)』 など。

 ≪名翻訳≫
 ボギーの決めゼリフ 「Here's looking at you, kid (君を見つめながら)」 を 「君の瞳に乾杯」 と訳したのは、高瀬鎮夫という字幕翻訳の草分け。新訳された際もこのウルトラC の名翻訳だけは受け継がれている。
 一方で、挿入歌 『As Time Goes By』 の邦題 『時の過ぎゆくままに』 は明らかな誤訳 (これも高瀬訳かは不明)。正すなら 「時が過ぎても」。でも今さら正すのはかえってヤボか・・・。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、脚色賞の計3部門を受賞。(候補8部門中)
 (他の作品賞候補 『誰がために鐘は鳴る』 『天国は待ってくれる』 『聖処女』 『キュリー夫人』 『町の人気者』 『ラインの監視』 『In Which We Serve』 『The More the Mirrier』 『The Ox-Bow Incident』)

 カーティス監督は 『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ』 でも監督賞Wノミネート。(ほか2000年のS・ソダーバーグ 『トラフィック』 『エリン・ブロコビッチ』 の例のみ。)

 大戦下とあって 「反ナチ、民主主義擁護」 のメッセージがふんだんに盛り込まれているが、公開当時は特別な熱狂をもって迎えられたという程でもなかった。 じっさい主演のバーグマンにとっては、毎度毎度の守られるだけのヒロインより、闘う女を演じた同年 『誰が為に鐘は鳴る』 のほうがずっと実のある仕事だったという。(*下の【続き・・・】にバーグマン秘話)
 しかしその政治的な弱さ(というより巧みさ)が、普遍的なラブ・ロマンスの古典として長く生き残る結果となった。



 『CASABLANCA』

 製作/ハル・B・ウォリス
 監督/マイケル・カーティス
 脚本/ハワード・コッチ、フィリップ・G・エプスタイン、ジュリアス・J・エプスタイン
 原案/マーレイ・バーネット、ジョアン・アリソン
 撮影/アーサー・エディソン
 音楽/マックス・スタイナー (挿入歌 『As Time Goes By』 はハーマン・ハプフェルド詞・曲)

 ワーナー/102分
 

【続き・・・】

 

 ≪*バーグマン秘話≫
 スウェーデン出身のイングリッド・バーグマンは、渡米前にナチス政権下のドイツ映画に出たことを悔やんでいた。そのため受身なだけの本作のヒロインより、『誰が為に鐘が鳴る』 でのファシズムと闘う女兵士役の演技に力を傾ける。

 みずから髪を切って原作者ヘミングウェイに売り込んだほどの熱意が実り、この年 『カサブランカ』 ではなく 『誰が…』 で主演女優賞にノミネートされたバーグマン。しかし実際に受賞したのは 『聖処女』 で清らかな乙女を演じた新人ジェニファー・ジョーンズで、のちにその夫になる大プロデューサーD・O・セルズニックの圧倒的なバックアップを受けたものであった。
 翌'44年度、バーグマンは 『ガス燈』 で念願の主演女優賞受賞を果たすが、その役柄は冷酷な夫にいじめられるだけのかよわい人妻役・・・。

 彼女は戦後、家族とスターの座を捨てて伊監督ロベルト・ロッセリーニと駆け落ちし、大バッシングを受けた話が有名だが、かよわいヒロイン役だけに飽き足らず、真の演技、本格派女優としてのキャリアを模索する様はとても痛々しく、スターとしての成功が一筋縄ではいかない事を教えてくれる。


 
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