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【アカデミー賞全作品】 2014.04.08 (Tue)

『失われた週末 (1945米)』

第18回アカデミー作品賞~~アメリカとて、勝利に浮かれていたわけじゃない

18 失われた週末

 ≪感想≫
 残念ながらさほど心に残らなかった。 当時は画期的だったのだろうが、日常生活の中の絶望をリアルに描くのは現代映画では普通なので。
 (以下ネタバレ・・・取ってつけたような希望あるラストは、バッド・エンドを認めない当時のハリウッドの慣習に従ったのだろうとは、容易に想像できます。)

 オスカー度/★★☆
    満足度/★☆☆



 『失われた週末 (1945米)』

 監督/ビリー・ワイルダー
 主演/レイ・ミランド (ドン・バーナル)
      ジェーン・ワイマン (ヘレン)
      フィリップ・テリー (ドンの兄ウィック)
      ドリス・ダウリング (グロリア)

 ≪あらすじ≫
 売れない作家ドンは、兄ウィックや恋人ヘレンの忠告の甲斐なく、酒におぼれる日々を送っていた。酒がなくなれば兄から預かった金を酒代にし、あげくの果てに商売道具のタイプライターまで質に入れようとする始末。ついにアル中患者の更生施設に収容されたドンは、人生に絶望して自殺を図る。

 ≪解説≫
 後のコメディの名匠B・ワイルダー監督による社会派ドラマ。それまでは喜劇の道化役にすぎなかったアルコール中毒の実態を、初めて真正面からとらえる。
 スタジオ内のセットを飛び出し、実際のニューヨークの街角や酒場でロケしたことも当時はまだ珍しかった。ワイルダーが好んで舞台にしたニューヨーク。東海岸系・社会派ニュー・シネマのはるか源流と言えるか。



 ≪受賞≫
 カンヌ映画祭グランプリ、主演男優賞(R・ミランド)
 アカデミー作品、監督、主演男優(R・ミランド)、脚色賞の、計4部門を受賞。
(候補6部門中)
 (他の作品賞候補 『白い恐怖』 『錨を上げて』 『聖メリーの鐘』 『ミルドレッド・ピアース』)

 第2次大戦が終結したこの年、本作やヒッチコック監督の 『白い恐怖』 など、人間心理の奥底に迫ろうとする作品が目立った (「ニューロティック<神経症>映画」と呼ばれ、実際に心理学ブームが起こったそうである)。 圧倒的な戦力を誇示して勝利したアメリカも、やはり心身ともに疲弊していたのだろう。
 アカデミー賞において、心身にハンディキャップを抱える人物の演技がもてはやされる最初の例にもなった。

 ワイルダー監督にとっては、前年のフィルム・ノワール 『深夜の告白』 が大きな出世作。その成功と注目が本作の受賞の勢いになった。『深夜の告白』 は作品賞 『我が道を往く』 に阻まれてオスカー獲得はならなかったが、代わりに本作で、『我が…』 の続編 『聖メリーの鐘』 を完全に退けて雪辱を果たす格好となった。

 この1946年に正式に始まったカンヌ映画祭、その最初の最高賞(当時は「グランプリ」)受賞作でもある。(ほか『無防備都市』『田園交響楽』『逢びき』など全11作品が選ばれた。)



  『THE LOST WEEKEND』

 製作/チャールズ・ブラケット  (共に出世街道を駆け上がったワイルダーとの名コンビで知られる。)
 監督/ビリー・ワイルダー
 脚本/チャールズ・ブラケット、ビリー・ワイルダー
 原作/チャールズ・R・ジャクソン
 撮影/ジョン・サイツ
 音楽/ミクロス・ローザ

 パラマウント/101分

 
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