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【アカデミー賞全作品】 2014.06.12 (Thu)

『オール・ザ・キングスメン (1949米)』

第22回アカデミー作品賞~~「黒」の時代に「白」と言う勇気

22 オール・ザ・キングスメン

 ≪感想≫
 作中の主人公よろしく製作・監督・脚本を兼ねた「手弁当」なつくりなので、映画として独りよがりが過ぎる。上手くない。(スタローンの『ロッキー('76)』に似てる。) 言うだけ言って、他のはしょり方が唐突。(*)
 しかし言いたいことはしっかり伝わりました。こういう作品が受賞して歴史に名を残すというのは、とても意義深いものがあります。
 何より、自由にモノを言うことが憚られた時代に立ち向かったロッセン監督の気骨に敬意。

 (*以下ネタバレ・・・不正に堕していく過程を、簡単なハイライト・シーンでラクしすぎ。権力の座への誘惑・・・その普遍的な怖ろしさというものを描いてほしかった。ラストも、けっきょく彼個人への「天罰」で終わってしまった。)

 オスカー度/★★☆
    満足度/★★★



 『オール・ザ・キングスメン (1949米)』

 監督/ロバート・ロッセン
 主演/ブロデリック・クロフォード (ウィリー・スターク)
      ジョン・アイルランド (記者ジャック・バーデン)
      マーセデス・マッケンブリッジ (秘書セイディ・パーク)
      ジョーン・ドルー (アン・スタントン)
      アン・シーモア (妻ルーシー・スターク)

 ≪あらすじ≫
 地元政財界の癒着を憂い、地方選挙に出馬した公務員ウィリー・スターク。旧勢力のあからさまな妨害で落選を重ねるが、新聞記者ジャックや秘書セイディらに支えられ、ついに州知事に昇りつめる。しかしそのとき、正義に燃えたかつてのウィリーも、いまや不正にまみれた独裁者と化していたのだった。

 ≪解説≫
 実際の政治汚職事件を題材にした骨太の社会派ドラマ。原作はピューリッツァ賞小説。
 モデルになったのは、大恐慌時代のルイジアナ州知事ヒューイ・ロングという政治家。巨大資本による富の独占に抗し、「みんなが王様」 というスローガンを掲げての扇動的なポピュリズム政治で人気を集めたが、カネと圧力で支配する独裁者と化し、最後は身内に暗殺されたという。
 タイトルは童謡『マザーグース』の一編から。「みんなが王様」 と言いながら、王様は自分自身で 「みんな王様の家来」 だったという皮肉。 その醜い正体に幻滅し反発しながらも、権力欲の呪縛から逃れられない側近の目を通して描かれる。

 2007年春、ショーン・ペンとジュード・ロウ主演のリメイク版が公開。(善人が堕していく様が驚きと面白さなのに、始めからペンもロウもダラダラと。最初の10分で駄作。)



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、主演男優(B・クロフォード)、助演女優賞(M・マッケンブリッジ)の計3部門を受賞。 (候補7部門中)
 (他の作品賞候補 『女相続人』 『三人の妻への手紙』 『頭上の敵機』 『戦場』)

 やり手の秘書役で映画デビューしたマッケンブリッジは、のちに 『エクソシスト』 で悪魔の声を演じている。もともとラジオや舞台で活躍していた人で、声の力強さはお墨付きだったそうだ。

 公開当時のアメリカは共産主義を弾圧する“赤狩り”の嵐が吹き荒れ、誰もが政治的主張を尻ごんでいた時代。その中でロッセン渾身の骨太政治劇は高い評価を得たが、かねてからブラック・リスト入りしていたロッセン監督は、本作を最後に(――のちに『ハスラー』を残すものの――)不遇の映画人生をかこつことになった。



 『ALL THE KING'S MEN』

 製作/ロバート・ロッセン
 監督/ロバート・ロッセン
 脚本/ロバート・ロッセン
 原作/ロバート・ベン・ウォーレン
 撮影/バーネット・ガフィ
 音楽/ルイス・グルエンバーグ

 ロッセン&コロンビア/109分

 
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