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【アカデミー賞全作品】 2014.12.20 (Sat)

『アラビアのロレンス (1962米英)』

 第35回アカデミー作品賞~~超大作時代の最高峰

35 アラビアのロレンス

 ≪感想≫
 ⇒2009年、劇場リバイバル時の記事

 久々に見た今2014年は、ひと回りして単純にヒロイックな見せ場を楽しんだ。
  ◆地平線の彼方から人が現れる、「砂漠に豆粒」のワクワク感。
  ◆はじめボロボロの"蛮族"の民族衣装に眉をひそめていた英軍将校たちが、どっと祝福の輪に
    なってロレンスを囲む痛快・カタルシス感。
  ◆とにかくロレンスの不死身ぶり。(神様気取り。だからその反動が痛々しい。)

 一方で、襲撃した列車の上で兵たちの「オレンス」コールに応える最大・最高潮の名場面。子供のころから気になっていた、雄大なテーマ曲に不協和音のようにかぶさる民族楽器は、「栄光の絶頂は転落への第一歩」のようで怖くなった。・・・そういう、ひとつの事柄に裏と表・因果と応報がかならず用意されていることが、本作に「深み」をもたらすゆえんなんだろう。

 そしてよく指摘される、これほどの超大作なのにオープニングとラスト、これで始めてこれで締める話法の巧みさよ。故・淀川長治さんの「アラビアって言うから、砂漠の真ん中に民族音楽が鳴って・・・で始まったら怒ってやろうかと思っていた。ところが・・・」 というお話にウンウンとうなずいたものだ。 形は違えど、リーン監督初期の名作メロドラマ 『逢びき ('45)』 のような、意表を突く驚き。

 オスカー度/★★★★
    満足度/★★★ (ぼくの全映画・歴代No.1。)



 『アラビアのロレンス (1962米英)』

 監督/デヴィッド・リーン
 主演/ピーター・オトゥール (トーマス・E・ロレンス中尉)
      アレック・ギネス (ファイサル王子)
      オマー・シャリフ (族長アリ)
      アンソニ-・クイン (族長アウダ・アブ・タイ)

 ≪あらすじ≫
 第1次大戦下のアラビア。ドイツと結んでアラブ支配を強めるトルコに対し、アラブ諸族は連合国軍に支援を求めていた。視察のためにここを訪れた英軍のロレンス中尉は、アラブ軍の指導者ファイサル王子に謁見。彼らのために敵の軍事基地アカバを攻略すべく、灼熱のネフド砂漠を横断する。
 ヴェドウィンの族長アリやハウエタットの族長アウダらの力を借りたロレンスは、無謀といわれたこの作戦を成功させ、一躍英雄にまつり上げられる。

 ≪解説≫
 アラブの独立に奔走し、数々の伝説を残しながらも謎に満ちたイギリス軍将校トーマス・E・ロレンスを描く歴史大作。
 太陽と砂漠の圧倒的な映像力を見せつけながら、描かれるのはけっして単純な英雄譚ではない。砂漠への愛と憎しみ、複雑な出生を抱えて屈折した心理と性癖、母国とアラブのはざまで葛藤する一個の人間のもろさ・・・。本来ならヒーローというイメージには程遠い やさ男P・オトゥールが、そんな”神になり損ねた”人間の弱さや狂気を見事に演じている。
 必ずしも史実に即した作りではないそうだが、そんな指摘を忘れさせる奥深い人間ドラマ。ぜいたくなカメラ割りや壮麗なテーマ曲に息をのむばかり。

 初公開以後は、長大すぎることから細かい場面があちこちカットされていたが、1988年にリーン監督以下オリジナル・スタッフも加わっての 「完全版」 として復元された。よみがえったのは場面つなぎの短いひとコマなどが主。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、撮影、音楽、美術、編集、音響賞の計7部門受賞。(候補10部門中)
 (他の作品賞候補 『史上最大の作戦』 『アラバマ物語』 『戦艦バウンディ』 『ミュージック・マン』)

 本作が出世作となった主演のP・オトゥールは、生涯8度ノミネートさるも無冠に終わったイギリスの名優。'03年には穴埋めのための名誉賞を辞退して(結局受け取ったそうだ)「まだまだ現役」 をアピールしたが、'07年の8度目を最後に'13年12月14日に亡くなった。

 一方、ティンパニ奏者出身で急きょ起用された新進作曲家M・ジャールは、同年の『史上最大の作戦』 『シベールの日曜日 (外国語作品賞)』でも音楽を手がけ、一夜にして名声を獲得。翌年も『ドクトル・ジバゴ』でオスカーを連続受賞した。



 『LAWRENCE OF ARABIA』

 製作/サム・スピ-ゲル
 監督/デヴィッド・リーン
 脚本/ロバート・ボルト
 原作/トーマス・E・ロレンス
 撮影/フレディ・ヤング
 音楽/モーリス・ジャール
 美術/ジョン・ボックス、ジョン・ストール
     ダリオ・シモーニ(装置)
 編集/アン・V・コーツ
 音響/ジョン・コックス

 スピーゲル、リーン=コロンビア/207分 完全版227分
 

【続き・・・】

 

 ≪イギリスの”三枚舌外交”≫
 ➀アラブ諸族の独立を約束した「フサイン=マクマホン協定(1915)」
 ➁欧州列強によるオスマン・トルコ分割統治を密約した「サイクス=ピコ協定(1916)」
 ➂ユダヤ人のパレスチナ入植を支持した「バルフォア宣言(1917)」
 ・・・三方三様の異なる対応が、今日まで続く中東紛争の原因になったとされている。実際のロレンスの奮戦も、母国イギリスの国益に添っただけだという意見も。



 ◆ロレンスがスエズ運河にたどり着いたシーン。対岸から「Who are you !?」と呼びかける英軍人役はリーン監督自身。「ロレンスよ、あなたは何者なんだ?」という作品のメッセージだとも言われている。

 ◆女優2賞は 『奇跡の人』 コンビ。ヘレン・ケラー役で助演賞のパティ・デューク16歳は当時の最年少オスカー記録だった。('73年 『ペーパー・ムーン』 でテイタム・オニール10歳が更新。)・・・主演賞、サリバン先生役はアン・バンクロフト。
 ◆"ロレンス"P・オトゥールを退けての主演男優賞は『アラバマ物語』のグレゴリー・ペック。家庭では頼もしくも寛容な父親、そして社会の人種差別とたたかう勇気ある弁護士役は、アメリカ・リベラルの理想像として名高い。'03年「AFI米映画協会が選ぶ歴代ヒーロー」の第1位に選ばれている。

 
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13:23  |  アカデミー賞全作品  |  コメント(2)  |  EDIT  |  上へ↑

*Comment

ピーター・オトゥールの素晴らしいブルーアイが、
ひたすら印象に残っています。
何度か挑戦しましたが、必ず途中で居眠りして
しまって、未だに最後まで完璧にみたことは
ないので・・・・・ 歴史に残る名作ですね!
mimiha |  2014.12.21(日) 10:24 |  URL |  【コメント編集】

■はじめまして^^。

こんばんはv-280
私のブログに遊びにきていただいてありがとう
ございます。
懐かしいですネ!
高校生の頃、テレビで観ました。
翌日、教室では一部フェチ女子の間で盛り上がり
ました~^^。高校生の頃は、授業さぼって名画座
へ行ってたな^^;。
私はオマーシャリフ演じるアリが好きでしたねv-345
ビスコンテイやトリュフォーとかもはまってました^-^。
また、遊びに寄らせていただきますネ!
happymay35 |  2015.01.17(土) 22:43 |  URL |  【コメント編集】

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