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【アカデミー賞全作品】 2015.02.15 (Sun)

『わが命つきるとも(1966米英)』

第39回アカデミー作品賞~~イギリス演劇界の底力

39 わが命つきるとも

 ≪感想≫
 重厚な権力闘争劇を演出したのでしょうが、含みのある言い回しを用いた駆け引きや、交錯する個々の宗教観は、その歴史や文化に通じてないとよく理解できません。翻訳家に力がないとなおさらです。大衆に迎合しないのはジンネマン監督らしいと言えるでしょうが。

 モアが「いいもん」でクロムウェルが「わるもん」・・・。同じトマスさんで時々ごっちゃになっていたのですが、今回それだけはしっかり覚えました。

 オスカー度/★★☆
    満足度/★☆☆



 『わが命つきるとも(1966米英)』

 監督/フレッド・ジンネマン
 主演/ポール・スコフィールド (トマス・モア)
      ウェンディ・ヒラー (娘アリス)
      ロバート・ショウ (ヘンリー8世)
      レオ・マッカーン (トマス・クロムウェル)
      ジョン・ハート (リッチ)
      ヴァネッサ・レッドグレイヴ (アン・ブーリン) 

 ≪あらすじ≫
 16世紀のイギリス。時の国王ヘンリー8世は、王妃キャサリンと離婚して女官アン・ブーリンとの再婚を望んでいた。しかしカトリックでは離婚はご法度。王はローマ法王の許しを得るため、大法官トマス・モアに助力を求めるが、モアは自らの信仰と信念を貫いてこれを拒むのだった。

 ≪解説≫
 政治権力に屈せず信念を貫いた義人として知られるトマス・モアの生涯を描く歴史劇。
 もとはイギリスの舞台劇。映画化に際し、膨大な登場人物を分かりやすく類型化したため、T・モアの義人・聖人ぶりが強調される描き方になったとか。
 主演の実力派のほかにもオーソン・ウェルズ(米)、スザンヌ・ヨーク、コリン・レッドグレイヴ・・・とにかくイギリスを代表する名優が勢ぞろい。ハリウッドを威圧するには十分すぎる迫力だったことだろう。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、主演男優(P・スコフィールド)、脚色、撮影、衣装賞の計6部門受賞。(候補8部門中)
 (他の作品賞候補 『バージニア・ウルフなんかこわくない』 『アルフィー』 『砲艦サンパブロ』 『アメリカ上陸作戦』)

 前年の『サウンド・オブ・ミュージック』を最後に古き良き銀幕の夢時代は終わり、しばらく不作・変革・世代交代の時代に入る。
 この授賞式も、放送業界のストライキが生中継のほんの直前までもつれ込む大混乱。 過激なセリフの応酬でハリウッドの倫理コードを変えたといわれる夫婦劇『バージニア・ウルフ…』に注目が集まった(5/13勝)が、人種対立やベトナム反戦運動などただでさえ不穏なご時勢、これらに背を向けるかのように手堅い「イギリスの権威」に票が集まった。



 『A MAN FOR ALL SEASONS』

 製作/フレッド・ジンネマン、ロバート・ボルト、ウィリアム・N・グラフ
 監督/フレッド・ジンネマン
 脚本/ロバート・ボルト (原作舞台も)
 撮影/テッド・ムーア
 音楽/ジョルジュ・ドリュー
 衣装/エリザベス・ハッフェンデン、ジョーン・ブリッジ

 コロンビア/119分
 

【続き・・・】

 
 ◆『バージニア・ウルフなんかこわくない』のエリザベス・テイラーが2度目の主演女優賞。先の『バターフィールド8』(’60)は凡作ながら自身の病への同情票だけで受賞していたが、今回文句なしの受賞で真の大女優の地位を確立した。
 一方、彼女の夫で共演のリチャード・バートンは本命視されながらまたも敗退(生涯7度候補で未冠)。スト騒動の授賞式を欠席していたリズに笑顔はなかったそうだ。
 ◆外国語映画賞の 『男と女』 は、フランス語作品ながらオリジナル脚本賞も受賞。

 
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