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【アカデミー賞全作品】 2015.04.23 (Thu)

『パットン大戦車軍団 (1970米)』

第43回アカデミー作品賞~~自己喪失時代の“強い父親像”

43 パットン大戦車軍団

 ≪感想≫
 たいしたストーリーも映画的な起伏もなし。ただ派手に爆破しているだけの戦場シーンに、戦術的な深みはなし(「類まれな戦略家」とあるが、作中の何をもってしてそう呼ぶのか?)。戦争賛美のタカ派作品かと思えばそうでもない。
 時代遅れのガンコ親父の発言集。しかし失言も多いが白黒ハッキリ言い切る英雄像を求める世相は、現代日本と似ているだろう。作品自体は毒にも薬にもならないが、こんな代物をまつり上げる周囲の自己喪失こそ問題だ。

 オスカー度/★☆☆
    満足度/★☆☆



 『パットン大戦車軍団 (1970米)』

 監督/フランクリン・J・シャフナー
 主演/ジョージ・C・スコット (ジョージ・S・パットン大将)
     カール・マルデン (ブラッドリー大将)
     マイケル・ベイツ (モンゴメリー英軍元帥)
     カール・ミカエル・フォークナー (ロンメル独軍元帥)

 ≪あらすじ≫
 第二次大戦下の北アフリカ戦線。ドイツ軍の名将ロンメル元帥に苦しめられる連合国軍は、パットン将軍を呼び寄せる。希代の猛将として恐れられる彼は、兵を厳しく鍛えなおし、みごとロンメル軍に雪辱を果たす。しかし直情的で言葉を選ばない性格が世論や同盟国の反感を買い、失脚を繰り返す。

 ≪解説≫
 くだらない邦題から連想されるような戦争アクションものではなく、昔かたぎの職業軍人であったアメリカ陸軍大将ジョージ・S・パットンの人物像を描く。
 ヴェトナム戦争がドロ沼化する混迷の時代にあって、「強い父親像」を求めるアメリカ国民の心理が本作をかつぎ上げたが、正統派ではない「異色」の英雄を淡々と描くところに、この時代の微妙な屈折感や喪失感がうかがえる。それは2年後の『ゴッドファーザー』にも同じことが言える。
 脚本に抜擢されたF・F・コッポラの出世作になった。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、主演男優(G・C・スコット=辞退)、オリジナル脚本、美術、編集、音響賞の計7部門受賞。(候補10部門中)
 (他の作品賞候補 『M★A★S★H』 『ある愛の詩』 『大空港』 『ファイブ・イージー・ピーセス』)

 スコットはその強烈な個性を存分に生かした名演(これは素晴らしかった)を見せたが、俳優が賞を争うことを嫌う彼は受賞を拒否。前代未聞の事態ながら「反体制」を尊ぶ時代、信念を貫く姿勢に喝采する声もあがった。オスカー像は、パットン記念館に展示されているという。
 彼は 『ハスラー('61)』 助演賞候補と 『ホスピタル(翌'71)』 主演賞候補の時も、事前に辞退を申し入れている。



 『PATTON』

 製作/フランク・マッカーシー
 監督/フランクリン・J・シャフナー
 脚本/フランシス・F・コッポラ、エドマンド・H・ノース
 原作/ラディスラス・ファラーゴ、オマー・N・ブラッドリー
 撮影/フレッド・J・コーネカンプ
 音楽/ジェリー・ゴールドスミス
 美術/ユーリ・マクリアリー、ジル・パロンド
     アントニオ・マテウス、ピエール=ルイ・デヴェネ(装置)
 編集/ヒュー・S・ファウラー
 音響/ダグラス・ウィリアムズ、ドン・バズマン

 シャフナー=20世紀フォックス/171分
 

【続き・・・】

 

 ◆スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督に、アメリカ人以外で初のアーヴィング・サルバーグ賞(多大な業績を残した映画製作者に贈られる特別賞)。
 ◆ロックの伝説的祭典をとらえた 『ウッドストック (マイケル・ウォドレー監督)』 に長編ドキュメンタリー賞。


 
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