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【アカデミー賞全作品】 2015.07.24 (Fri)

『ロッキー (1976米)』

第49回アカデミー作品賞~~アメリカン・ドリームは永久に不滅です!

49 ロッキー

 ≪感想≫
 一部の男子からは神格化すらされているこの名作、物語の結末もあまりに有名すぎて、ずっと「食わず嫌い」でいました。初めて観たのはほんの数年前。でもやっぱり2大名場面、石段の上でのガッツポーズと、ラストの「エイドリアーン!」を正式に見ることができてよかった。鑑賞後、ご多分にもれずマネをする自分がいました。物語の作りは粗いけど、「3日で脚本を書き上げた」という男の熱意と勢いはじゅうぶん伝わりました。(なお続編『2』は、一夜でセレブになった男の混乱がとても丁寧に描かれていて、スタローンの脚本の才能に驚かされた。)
 おなじみビル・コンティの音楽も、くぅ~ッ! マラソンのラスト 0.195 ㎞ であのフィナーレ曲『Going The Distance』がかかったら、ぜったい泣くと思います。

 オスカー度/★★★ (作りは粗いけど、こういう「勢い」を評価したアカデミーはえらかった。)
    満足度/★★★



 『ロッキー (1976米)』

 監督/ジョン・G・アヴィルドセン
 主演/シルヴェスター・スタローン (ロッキー・バルボア)
      タリア・シャイア (エイドリアン・ペニーノ)
      バート・ヤング (エイドリアンの兄ポーリー)
      バージェス・メレディス (トレーナーのミッキー)
      カール・ウェザース (王者アポロ・クリード)

 ≪あらすじ≫
 フィラデルフィアのスラムに暮らすロッキー・バルボアは、盛りを過ぎたヘビー級ボクサー。借金の取立てで食いつなぐ、すさんだ生活を送っていた。そんな彼も、ペットショップの店員エイドリアンに恋をする。やっとの思いで彼女を誘い出し、ささやかなデートを楽しむふたり。
 そこへ思わぬチャンスが舞い込んできた。チャンピオンのアポロが、無名のロッキーを挑戦者に指名したのだ。誰もが建国祭の余興としか考えていない中、ロッキーは夢をつかむため、過酷なトレーニングを再開する。

 ≪解説≫
 公開の1976年は、ちょうどアメリカ建国200年にあたる年。しかしヴェトナム戦争やウォーターゲート事件の後遺症に社会は沈みきっていた。黒人や女性の権利拡大に押しのけられた 「プア・ホワイト<貧しい白人>」 問題も深刻だった。
 そこへ現れたのが本作である。夢をつかむために立ち上がるロッキーの姿は、国民にアメリカン・ドリームの健在を再認識させ、挫折や反抗を描いた暗い 「アメリカン・ニューシネマ」 時代に終止符を打つことに。
 そして最も大きな夢をつかんだのが、誰あろう自作の脚本を持ち込んでスターダムを駆け上ったスタローン自身だった、という見事なオチもついた。

 有名な石段のシーンはフィラデルフィア美術館。ロッキーが駆け上がった正面階段は 「ロッキー・ステップ」 と名付けられ、脇には銅像も作られたそうだ。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、編集賞の計3部門受賞。(候補10部門中)
 (他の作品賞候補 『大統領の陰謀』 『タクシー・ドライバー』 『ネットワーク』 『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』)

 授賞式には、王者アポロのモデルにされたモハメド・アリがサプライズ登場。「アポロは俺じゃないか。さては脚本を盗んだな!」とスタローンに食ってかかり、会場を沸かせた。

 ほか、授賞式の直前に急逝したピーター・フィンチ(『ネットワーク』)に主演男優賞。故人へのオスカーは、演技部門では彼とヒース・レジャー(『ダーク・ナイト('08)』助演男優賞)のみ。『ネットワーク』は主演・助演女優賞も獲得。(フェイ・ダナウェイとベアトリス・ストレイト。プラス脚本賞も。)
 ・・・など、最大の主役スタローンを中心に、力作佳作が賞を分かちあう穏当な授賞式だった。



 『ROCKY』

 製作/アーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ
 監督/ジョン・G・アヴィルドセン
 脚本/シルヴェスター・スタローン
 撮影/ジェームズ・グレイブ
 音楽/ビル・コンティ
 編集/リチャード・ハルシー

 ウィンクラー、チャートフ=ユナイト/119分
 

【続き・・・】


 当時のテレビ映画1本分(100万ドル)で作られたという、その「低予算」3大トリビア――
 ◆早朝の市場をランニングする名シーン。最小限のスタッフで撮影していたため、スタローンは本物のボクサーと勘違いされた。地元店主からオレンジを放られるシーンは、まったくのハプニング。
 ◆特殊メイクはお金がかかるため、まずはじめに満身創痍の最終ラウンドから撮影し、少しずつ傷のメイクをはがしながら前のラウンドをさかのぼって撮影していった。
 ◆会場の観客たちは、正規のエキストラを雇えないため 「フライドチキンをふるまう」 というチラシで集めた素人だった。そのため規律の収拾がつかなくなり、予定されていた「観客がロッキーを担ぎ上げて健闘を讃える」シーンを撮ることができず、例のロッキーとエイドリアンが抱き合うカットで終わることになった。

 その他、もともとのスタローン脚本は、「栄光をつかみ損ねた主人公は、王者の熱狂をよそに、控室で恋人とただふたり愛を確かめあう」 という、当時のニューシネマ趣味に沿った寂しいラストシーンだった(↑上のポスターがまさにそのイメージで作られた)
 じつはこれ、日本の名作マンガ 『あしたのジョー('68-73)』 のボツになった最終回と同じ。それを直前に変えて、どちらも歴史に残る名ラスト・シーンが生み出された。


 
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