FC2ブログ

【アカデミー賞全作品】 2016.03.17 (Thu)

『ダンス・ウィズ・ウルブス (1990米)』

第63回アカデミー作品賞~~地球にやさしく、エコロジーの時代

63 ダンス・ウィズ・ウルブス

 ≪感想≫
 人気スターが監督業を始めると過大評価か過小評価に偏りがちなのですが、私財を投じて作ったというケヴィン・コスナーは素晴らしい仕事をしたものです。
 白人移植者の横暴を糾弾する西部劇は'70年代に多く見られましたが、これはあくまで母性的に、先住民や自然との共生を訴えたところが画期的でした。巻末、「狩りのシーンでは、牛たちを殺していません」 と、わざわざただし書きするところも律儀。この頃から「エコロジー」「ヒーリング」といった言葉が広く一般的になりましたが、まさにその象徴的作品といえるでしょう。
 虫の音や草木のざわめきが何ともいえず心地よい。名匠J・バリーの美しいテーマ曲からなるサントラCDも、おやすみ前のBGMとしてよく聴いていました。

 オスカー度/★★★
    満足度/★★★



 『ダンス・ウィズ・ウルブス (1990米)』

 監督/ケヴィン・コスナー
 主演/ケヴィン・コスナー (ジョン・ダンバー中尉)
     メアリー・マクドネル (“拳を握って立つ女”)
     グラハム・グリーン (“蹴る鳥”)

 ≪あらすじ≫
 南北戦争下、脚に重傷を負いながらも戦場を駆け抜けたダンバー中尉は、その褒賞として西部基地への転属を願い出る。無人の基地で狼と戯れるダンバーと、彼に興味を示す馬上のインディアン。やがてインディアンたちと親しくなったダンバーは、「狼と踊る男」の名を与えられ、彼らのために戦うことを決意する。

 ≪解説≫
 辺境の地にひとり取り残された白人将校と、先住民スー族との交流を描く。
 自身もチェロキー族の血を引くK・コスナーが初めて監督に挑戦。白人批判の内容に周りが尻込みする中、人気スターとして稼いだ私財をすべて投入。完成が危ぶまれながらも執念で撮りあげた。
 アメリカの雄大なフロンティアを活写、剛柔織り交ぜた手腕が高く評価され、先達R・レッドフォードやW・ベイティたちから続く「監督・製作者として成功したスター俳優」の流れを大きく広げた。このあとC・イーストウッドやM・ギブソンらの受賞ラッシュも彼あればだろう。

 言語指導担当が女性ばかりだったため、先住民のセリフはすべて女性語なんだそうだ。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、脚色、撮影、編集、作曲、音響賞の計7部門受賞。(候補12部門中)
 (他の作品賞候補 『ゴッド・ファーザーPARTⅢ』 『レナードの朝』 『ゴースト/ニューヨークの幻』 『グッド・フェローズ』)

 湾岸戦争停戦直後の授賞式(1991年3月25日)。厳重警戒の中、おふざけは控えめ。そのぶん大人のエンターテインメントが味わえた。特に『ディック・トレイシー』で主題歌賞のマドンナが、堂々たるパフォーマンスで場をさらって見せたのはさすがだった。
 (ちなみに、日本ではWOWOWが授賞式の生中継をスタート。ぼくも今でも覚えています。)

 賞のゆくえは、本命 『ダンス…』 の無風・順当勝ちとあってコスナー一色。かのジョン・フォード監督も為しえなかった、西部劇での監督賞。 西部劇(開拓時代もの)の作品賞も 『シマロン('30)』 以来2作目だった。



 『DANCE WITH WOLVES』

 製作/ケヴィン・コスナー、ジム・ウィルソン
 監督/ケヴィン・コスナー
 脚本/マイケル・ブラック (原作も)
 撮影/ディーン・セムラー
 音楽/ジョン・バリー
 編集/ニール・トラヴィス
 録音/ラッセル・ウィリアムズ2世、ジェフリー・パーキンス、ビル・W・ベントン、グレッグ・ワトキンス

 TIG=オライオン/181分 (最長版236分)
 

【続き・・・】

 

 ◆『ゴースト/ニューヨークの幻』のウーピー・ゴールドバーグに助演女優賞。黒人女優としては'39年 『風と共に去りぬ』 H・マクダニエル以来ようやく2人目!
 プレゼンターは前年の助演男優賞デンゼル・ワシントン。アフリカ系の連続受賞で、ようやく人種に関わりなく自然に評価される時代になったか、と言われるように。
 ウーピーは感激のあまり、テレビ生中継で「Fuck」と口走ってしまったのはご愛敬。
◆ほか、主演女優賞は『ミザリー』のキャシー・ベイツ、主演男優賞は『運命の逆転』のジェレミー・アイアンズ、助演男優賞は『グッドフェローズ』のジョー・ペシと、個性派・怪優が名を連ねた。

◆一方、無冠の名優アル・パチーノは主演の 『ゴッドファーザーPARTⅢ』ではなく、アメコミ原作の娯楽作 『ディック・トレイシー』で助演男優賞ノミネート。6度目の候補だったがまたも逃した。
 なお、作品賞候補 『ゴッドファーザーPARTⅢ』も7部門全敗。さすがにシリーズ3連覇はならなかった。


 
関連記事
18:29  |  アカデミー賞全作品  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

*Comment

コメントを投稿する (ログイン不要/コメントは承認後に表示されます)

URL  未記入でもOK
コメント
パスワード  あなたの編集・削除用。適当な文字を。
内緒  管理人だけに表示
 

▲PageTop