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【アカデミー賞全作品】 2016.04.06 (Wed)

『羊たちの沈黙 (1991米)』

第64回アカデミー作品賞~~異色サイコ・スリラーのヒット作

64 羊たちの沈黙

 ≪感想≫
 ぼくはちょうどその頃、乱歩だポーだカフカだと、もっとエグい異形の怪作に親しんでいた時期だったので、残念ながらそれほど印象に残らなかった。ヒットしすぎて事前情報が入りすぎ、実際に観た時には新鮮味が薄れていたせいもあります。続編 『ハンニバル('01)』 なら、全盛時リドリー・スコット監督のフル・パワーに圧倒されたのですが・・・。

 ・・・今2016年、3度目の鑑賞(『ハンニバル』の時以来)。やはり主演の両優、その圧倒的な演技力と存在感に尽きます。
 クライマックスの犯人宅での対決シーン、派手なドンパチがないのも印象が薄い理由のひとつでしたが、今回は未熟な新米捜査官の恐怖心がひしひしと、彼女の熱い息がかかるかのようなリアルな臨場感に包まれた。1発も撃たずに進むなんて、並の役者じゃ場面が持たないだろう。ジョディってすごいと今さらながら感心しました。
 グロテスク描写もこのくらいがお上品でいい。ケレン味を排して真摯な態度を貫いたのは大正解。

 オスカー度/★☆☆
    満足度/★★☆



 『羊たちの沈黙 (1991米)』

 監督/ジョナサン・デミ
 主演/ジョディ・フォスター (クラリス・スターリング)
      アンソニー・ホプキンス (ハンニバル・レクター博士)
      スコット・グレン (クロフォード主任捜査官)
      テッド・レヴィン (“バッファロー・ビル”)
      アンソニー・ヒールド (チルトン院長)

 ≪あらすじ≫
 若い女性の皮膚を剥ぐという残忍な殺人事件が発生。FBI訓練生クラリスは、助言を求めて殺人鬼レクター博士の独房を訪ねる。博士はその天才的な頭脳で犯人の素性や心理を推理してみせるが、代わりにクラリスの生い立ちが知りたいと求める。図らずも、自身の深層と向き合うことになったクラリス。犯人と、そして博士との、ふたつの闘いが始まる。

 ≪解説≫
 異常心理ブームのはしりとなったサイコ・スリラーの大ヒット作。
 ゲテモノになりかねない題材を、娯楽映画としての魅力は保ちつつ、高い緊張感と威厳で描きあげてみせた。それまで軽んじられがちだったホラー、スリラー、ショッカー映画に、広く市民権をもたらした功績は大きい。
 犯行現場の状況から犯人の人物背景や心理状態を分析する、「プロファイリング」という捜査法が注目されるようになった。



 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、主演女優(J・フォスター)、主演男優(A・ホプキンス)、脚色賞の計5部門受賞。
 (他の作品賞候補 『JFK』 『美女と野獣』 『バグジー』 『サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方』)

 J・フォスターが 『告発の行方('89)』 に続く2度目の主演女優賞。
 主要5部門の独占は、『或る夜の出来事('34)』 『カッコーの巣の上で('75)』以来3度目の快挙。
 印象が薄れる年度初めの公開(授賞式まる1年前の'91年2月に全米公開)にもかかわらず、しかもサイコ・スリラー初とあって、この種の病理がアメリカの社会問題になっていることの表れであるとの指摘もあったが、むしろ唯一の超大国としての安定を確立したアメリカが、異形の怪作を受け入れるだけの余裕が生まれた結果といえよう。



 『THE SILENCE OF THE LAMB』

 製作/ケネス・ウット、エドワード・サクソン、ロン・ボズマン
 監督/ジョナサン・デミ
 脚本/ミテッド・タリ
 原作/トーマス・ハリス
 撮影/タク・フジモト
 音楽/ハワード・ショア

 オライオン/118分
 

【続き・・・】

 

 ◆ディズニーの 『美女と野獣』(2/4勝)がアニメ初の作品賞ノミネート。期待された栄冠こそならなかったが、第2次ディズニー黄金時代の幕開けを告げる記念碑になった。
 特に「歌曲賞」は、受賞した主題歌をはじめ3曲が候補に挙がる異例の快挙。作曲アラン・メンケン(作曲・歌曲賞)と作詞ハワード・アシュマン(歌曲賞)の名コンビは'89年『リトル・マーメイド』に続く受賞だったが、この時すでにアシュマンはエイズで亡き人に。一方のメンケンは、翌年以降も『アラジン』『ポカホンタス』などの受賞で快進撃を重ねていく。

 ◆作品賞候補 『サウス・キャロライナ』(0/7勝)の監督は女優のバーブラ・ストライザンド。しかし前'90年 『レナードの朝』 のペニー・マーシャル監督同様、監督賞の候補に挙がらなかったことから、アカデミー協会の女性軽視ではないかと問題になった。

 ◆ジョージ・ルーカスに名製作者を讃えるアーヴィング・サルバーグ賞。『スター・ウォーズ』シリーズの大ヒット・メーカーでありながら、これまで芸術賞とは無縁だった事へのねぎらい・なぐさめを込めて。


 
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