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【クラシック音楽】 2010.02.05 (Fri)

マーラーの交響曲≪巨人≫聴きくらべ

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マーラー『交響曲第1番≪巨人≫』

 ♯♯ アバド&ベルリン・フィル ('89ライヴ)♯♯
 夏にカラヤンが亡くなり、イタリアのクラウディオ・アバドがベルリン・フィル (BPO) の新監督に就いた1989年・・・。この'89~90年、「アバド&BPO」 最初のシーズンの演奏が好きです。

 アバドはのちのち、われらのベルリン・フィルを 「草食男子のふ抜け集団」 に堕落させるA級戦犯になりやがりますが、この就任直後は、彼の知的な清明感とフルト~カラヤン以来の重厚なオケが幸福な融合をみせて、とても新鮮な響きを聴かせてくれたものでした。

 彼らによるブラームスの 『交響曲1番』 そしてマーラーの 『巨人』 (写真)は、新時代をひらく祝祭的な感動をもたらしてくれた、思い入れのある演奏。


 ・・・朝の目覚めを思わせるすがすがしい第1楽章、「巨人」 が踊るようにどっしりと躍動する第2楽章スケルツォ、有名な童謡を取り入れた戯画的な第3楽章 (それに続く『ゴッドファーザー』のような哀愁の旋律が好き。)・・・。
 そして怒涛の最終第4楽章へ。ぼくの大好物 「苦悩を克服して勝利へ」 という交響楽の古典的な大テーマが、雄々しく高らかにうたいあげられます。

 マーラー20代の作とあって激しく粗っぽいけど、若い生命力がみなぎる人気曲。 そこで、手持ちのCDや前に聴いたものなど、ほかの名盤も聴き比べてみました・・・。

♪  ♪  ♪

 ♯♯ ワルター&コロンビア響 ('61)♯♯
 往年の名盤とされているが、今聴けばお上品すぎ。昔のマーラーはキワモノ扱いされていたので、これくらいが良かったのだろう。
 思い入れのあるオールド・ファンはけっこうですが、新しい若い人には音も解釈も新しい演奏をおすすめします。

 ♯♯ バーンスタイン&コンセルトヘボウ管 ('87ライヴ)♯♯
 '80年代にマーラー新全集を完成させたバーンスタイン。 マーラー~ワルターから継ぐ 「孫弟子」 としての想いの深さはひしひしと伝わるが、内向きでナルシスティック。「マーラーの伝道師」 としての使命を果たした晩年の録音とあって、誰にも遠慮しない自分だけのマーラー世界に浸りたかったのだろう。
 しかし青春の作 『第1番』 はもっと彼<レニー>らしい開放的な明るさと迫力で聴きたかった。 '67年N.Y.フィルとの旧盤はその点バッチシだが、逆にツメが甘い。

 ♯♯ ショルティ&シカゴ響 ('83)♯♯
 実家の父のCDで。 端正でダイナミックそして巨匠の風格。 万人に向いたスタンダードなつくりだったことを記憶しています。人におすすめしても一番ハズレがないか。

 ♯♯ アバド&シカゴ響 ('81)♯♯
 アバドがショルティからシカゴ重戦車軍団を借りて客演。 柔剛の個性が融合した、上のアバド&BPO盤とよく似た背景だが、より若々しく颯爽。そのぶん軽いのでぼくはあまり好きじゃありません。でも日本人に勧めるならショルティ版より無難か。

 ♯♯ シャイー&コンセルトヘボウ管 ('95)♯♯
 一点の曇りもない知的な透明感にびっくり。 描写はかなり客観的であっさりしているが、もともとの地力は世界屈指のコンビなのでそこまで軽さを感じない。
 トップ (=歴史的名盤) にはなれないけど総合力と華がある、サッカーのオランダやスペイン代表みたいなイメージ。
 逆に、ハイティンク&ベルリン・フィル ('87)盤は堅実な総合力。この人らしく地味だけど安心して聴けます。サッカーでいうとスウェーデン。


 ・・・ほか、あまり魅かれなかったもの、好かん演奏家のもの(ラがつく大英帝国の銀髪鬼)は省略しました。みなさんのおすすめは何ですか?

 
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