【アカデミー賞全作品】 2016.06.05 (Sun)
『フォレスト・ガンプ/一期一会 (1994米)』

≪感想≫
現代のおとぎ話、ノスタルジックなファンタジー。結局何がどうっていうほどでもないのですが、物語は健康的・楽観的で、何度観ても飽きません。テレビでやっているとついつい観て、「いいものを観た」と満足してしまう不思議な作品です。
(黒人差別の)アラバマ州やベトナムなどナーバスな歴史を題材としながらも、あらゆる層に広く受け入れられるよう、細心のバランスで作られているのが分かります。そんな娯楽手哲学にはさすがアメリカ=ハリウッドの「王道」を感じました。
う~ん、おもしろいなぁ。
オスカー度/★★★
満足度/★★★
『フォレスト・ガンプ/一期一会 (1994米)』
監督/ロバート・ゼメキス
主演/トム・ハンクス (フォレスト・ガンプ)
ロビン・ライト (ジェニー)
サリー・フィールド (フォレストの母)
ゲイリー・シニーズ (ダン中尉)
ミケルティ・ウィリアムソン (ババ)
ハーレイ・ジョエル・オスメント (フォレストJr.)
≪あらすじ≫
IQ75ながら優しい母の愛に包まれて育った青年フォレスト・ガンプ。頭はヨワいが足の速さはピカイチの彼は、アメフトの全米代表選手として活躍。軍に入隊すればベトナムで戦友を救って英雄となり、エビ漁ビジネスを起こせば巨万の財を成す。彼の気付かぬうちに彼の運命が切り開かれる中、その心はいつも幼なじみのジェニーにあった。
≪解説≫
ひとりの純朴な青年の半生にアメリカ現代史を重ねた、ハート・ウォーミングな叙事詩。「人生はチョコレートの箱のよう。開けてみるまで分からない」――唯一の超大国として繁栄を謳歌するアメリカにあって、無欲・自然体な主人公の生き方は「ガンピズム」と呼ばれて共感を集めた。
公開直後はさほど注目されなかったが次第に評価が高まり、結局当時のパラマウント社史上最大の興行収入を記録した('97年、『タイタニック(20世紀FOX社と共同配給)』が更新)。
見事なCG合成によるケネディ大統領やJ・レノンほか歴代著名人との“共演”が楽しい(ウディ・アレン監督 『カメレオンマン('84)』の先例あり)。宙を舞う鳥の羽根や、“ダン中尉”G・シニーズの両脚を消すなど、映像技術の進化も大きな話題に。
アメリカの正の歴史を体現するのがガンプなら、家庭内暴力、ドラッグ、エイズなど負の歴史を背負う恋人ジェニーの運命が皮肉。(決してベトナム戦争が「正」でその反戦運動が「負」ではないが!・・・歴史認識については、総じて保守派寄り。)
≪受賞≫
アカデミー作品、監督、主演男優(T・ハンクス)、脚色、編集、視覚効果賞の計6部門受賞。(候補13部門中)
(他の作品賞候補 『ショーシャンクの空に』 『パルプ・フィクション』 『クイズ・ショウ』 『フォー・ウェディング』)
ハンクスは前年の『フィラデルフィア』に続く2年連続*の主演男優賞で、名実ともに大スターの仲間入りを果たした。
監督賞のゼメキスは、前年の受賞者である師匠スピルバーグからオスカーを受け取った。
個人的には秀作『ショーシャンク』が無冠に終わったのは残念だが、本作に負けたのならまぁ仕方ないか。一方カンヌ最高賞で波に乗る大好きな『パルプ・フィクション』は、オリジナル脚本賞で一矢を報いる。あ、競合してないから報いてないか。
『FORREST GUMP』
製作/ウェンディ・ファイナーマン、スティーヴ・ティッシュ、スティーヴ・スターキー
監督/ロバート・ゼメキス
脚本/エリック・ロス
原作/ウィンストン・グルーム
撮影/ドン・バージェス
音楽/アラン・シルヴェストリ
編集/アーサー・シュミット
視覚効果/ケン・ラルストン、スティーヴ・ローゼンバウム、アレン・ホール
パラマウント/143分
【続き・・・】
◆*演技部門の連覇は、いぶし銀ジェイソン・ロバーズが『大統領の陰謀('76)』『ジュリア('77)』で助演男優賞を、また初期にルイーゼ・ライナーという女優が、大手MGM社の政治力で主演女優賞連覇の例あり(『巨星ジーグフェルド('36)』『大地('37)』)。
◆主演女優賞は『ブルー・スカイ』のジェシカ・ラング。『トッツィー('82)』助演賞に続く2つめのオスカー。
◆助演女優賞は『ブロードウェイと銃弾』のダイアン・ウィースト。彼女も『ハンナとその姉妹('86/同じウディ・アレン監督作)』助演賞に続く2つめのオスカー。
◆助演男優賞は『エド・ウッド』で伝説の怪優ベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドー。
◆クリント・イーストウッドに名製作者を讃えるアーヴィング・サルバーグ賞。俳優出身の受賞は初。
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