【アカデミー賞全作品】 2016.12.19 (Mon)

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 (2003米)』

第76回アカデミー作品賞~~冒険ファンタジー超大作完結編!

76 ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還

 ≪感想≫
 何より、これだけの大作を一気に撮って、1年ごとに公開して大ヒットさせて、最終的にオスカーを総なめにした、P・ジャクソンのプロデュース力に舌を巻きました。その点はスタンディング・オベーションものです。また、原作を忠実に守って古参ファンの要求を満たし、新規の観客にはまず圧倒的な映像世界で黙らせる。ネット時代のうるさい大衆にアラ探しされないよう、注意深く練って肉付けする今風の作り。
 ただ、非常に完成度の高いりっぱな出来ではあるのですが、専門用語だったりひとつひとつの表情やカットの意図が分からずじまいで、面白いかと聞かれれば面白くなかった。(例のひとつが、アラゴルンが緑色の亡霊?の説得に赴く場面。これを王位継承への試練とするのは分かったのですが、呪文みたいな問答ばかりでドラマに欠けた。)
 それを抜きにしても、演出家・脚本家としてのP・ジャクソンは「こんなものかな」ってところです。CGはすごいけど、基本のアクション演出はそんなに上手いとは思わない。 スピルバーグではなく「ジョージ・ルーカス2世」??

 オスカー度/★★★★
    満足度/★★☆



 『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 (2003米)』

 監督/ピータージャクソン
 主演/イライジャ・ウッド (フロド)
      ヴィゴ・モーテンセン (アラゴルン)
      イアン・マッケラン (ガンダルフ)
      ショーン・アスティン (サム)
      オーランド・ブルーム (レゴラス)
      アンディ・サーキス (ゴラム/スメアゴル)

 ≪あらすじ≫
 世界を滅ぼす力を秘めた“指輪”を葬り去るため、“滅びの山”への旅を続ける少年フロド。しかし邪悪な指輪の魔力にとらわれ、忠臣サムにまで疑いの目を向けてしまう。一方、“中つ国”の人々は王位継承者アラゴルンのもとに結集し、冥王サウロン軍との最終決戦にのぞむ。

 ≪解説≫
 超巨編ファンタジー3部作の完結編。母国ニュージーランドで3部作を一気に撮りあげていたジャクソン監督は、本作の公開にあたって新たにVFX特撮シーンを追加、その完結編にふさわしい迫力ある戦闘シーンを作りあげた。




 ≪受賞≫
 アカデミー作品、監督、脚色、音楽、歌曲、美術、編集、衣装、メイク、視覚効果、音響効果賞の計11部門受賞。(候補11部門中)
 (他の作品賞候補 『ミスティック・リバー』 『マスター・アンド・コマンダー』 『ロスト・イン・トランスレーション』 『シービスケット』)

 11部門受賞は 『ベン・ハー('59)』 『タイタニック('97)』 に並ぶ最多タイ。ノミネート全受賞は『恋の手ほどき('58)』 『ラストエンペラー('87)』の全9部門をしのぐ快挙。

 「映像化不可能」とまで言われていた超巨編、3部作まとめての功をねぎらうのは異議ないが、まさかここまで何でもかんでもとは思わなかった。この年、K・ヘプバーン、G・ペック、E・カザン、B・ホープといった大御所が世を去り、アカデミーの低年齢化が顕著に。会社が仕掛ける賞レースの工作が巧妙になる一方で、彼らのいい加減な投票が目立つようになった。



 『THE LOAD OF THE RINGS : THE RETURN OF THE KING』

 製作/バリー・M・オズボーン、ピーター・ジャクソン、フラン・ウォルシュ
 監督/ピーター・ジャクソン
 脚本/ピーター・ジャクソン
 原作/J・R・R・トールキン
 撮影/アンドリュー・レスニー
 音楽/ハワード・ショア
 主題歌/アニー・レノックス 『Into the West』 (歌手はオスカーの対象外。レノックスは作り手として受賞。)
       詞・曲/フラン・ウォルシュ、ハワード・ショア、アニー・レノックス
 美術/グラント・メジャー、装置/ダン・ヘナー、アラン・リー
 編集/ジェイミー・セルカーク
 衣装/ナイラ・ディクソン、リチャード・テイラー
 メイク/リチャード・テイラー、ピーター・キング
 視覚効果/ジム・ライゲル、ジョー・レッテリ、ランドール・ウィリアム・クック、アレックス・フンケ
 音響/クリストファー・ボイエス、マイケル・セマニック、マイケル・ヘッジス、ハモンド・ピーク

 ウイングナット=ニューライン/201分
 

【続き・・・】

 

 ◆主演女優賞は 『モンスター』 で実在の殺人鬼を演じたシャーリーズ・セロン。当代随一の美女が醜いメイクをほどこしての力演はたしかに圧巻だったが、賞狙いのための奇抜な役と、それに簡単に賞をあげてしまう軽い風潮もこの頃より露骨になり始めた。
 ◆男優部門は主演賞にショーン・ペン、助演賞にティム・ロビンス。『ミスティック・リバー (C・イーストウッド監督)』 がW受賞。
 ちなみに、渡辺謙が 『ラスト・サムライ』 で助演賞候補に。
 ◆助演女優賞は前年作品賞 『シカゴ』 でも波に乗るレネー・ゼルウィガー(『コールド・マウンテン』)。

 ◆外国語映画賞は、仏セザール賞やカンヌ映画祭で多数受賞の実績があるフランス=カナダの 『みなさん、さようなら』(その実績にアカデミーが呑まれた?)。ドゥニ・アルカン監督。
 日本からは山田洋次監督 『たそがれ清兵衛』 がノミネートされた。
 ◆長編アニメ映画賞は、飛ぶ鳥を落とす勢いのピクサー社制作 『ファインディング・ニモ』。同社のエース、アンドリュー・スタントン&リー・アンクリッチ共同監督。

 ◆ドタバタの傑作 『ピンク・パンサー』 シリーズで有名なブレイク・エドワーズ監督に「名誉賞」。車いすが暴走して壁に突っ込む登場で沸かせた(暴走場面はさすがに代役だっけ?御年80歳のご本人がやってたら伝説になっただろうけど)。ひと回り下の夫人ジュリー・アンドリュースがいまだ若々しくてカッコよかった(『ビクター・ビクトリア('82)』は夫婦共作)


 
関連記事
19:14  |  アカデミー賞全作品  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

*Comment

コメントを投稿する (ログイン不要)

URL  未記入でもOK
コメント
パスワード  編集・削除用。適当な文字を。
内緒  管理人だけに表示
 

▲PageTop