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【この本!】 2007.09.17 (Mon)

思春期のサロメ

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旧約聖書の世界を自由な発想で脚色した、鬼才オスカー・ワイルドの戯曲 『サロメ』。(1891年)


美しき預言者ヨカナーンに愛を拒まれ、その生首を召してくちづけした倒錯の王女サロメ。

退廃的なO・ワイルドの世紀末ワールドは大好きなのだが、この作品はむしろA・ビアズリーの挿絵に惹かれた。(写真右)

「ヨカナーン、あたしはお前に口づけしたよ」

のたうつ黒髪、ゆがんだ唇・・・。なんと、おぞましく醜悪な美か。


ワイルドの戯曲に先立つこと15年、G・モローの絵画も強烈に印象に残っている。(写真左)

子供の頃に美術展で見て、全裸で踊るサロメのエロティシズムに、ひとり胸が熱くなったものだ。



岩波文庫の福田恆存訳は、王女サロメがアバズレっぽくてイメージに合わなかった。

でも「初めての情欲にかられた無垢の少女」なら、ありかもしれない。

少女から女へ。これがサロメにとって、はじめての愛の表現だったのだろう。

しかし彼女が育った世界、手本とした大人たちは、あまりに汚れすぎていた。


文学史上でも指折りの妖婦・悪女として有名なサロメだが、

醜く乱れたその親たちからの目線で見ると、あまりに無垢だったサロメが哀れでならない。

 
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