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【アメリカ映画】 2008.03.11 (Tue)

'07-08アカデミー賞授賞式を見て

 
 NHK-BSで第80回アカデミー賞授賞式(ハイライト)を観ました。ハリウッド映画が低迷する中、インディ系の雄コーエン兄弟が作品・監督・脚色賞の三冠を達成した今年の感想は「地味」の一言。

 脚本家のストが長引いて「あわや中止」と心配された今年の式典。どれだけ準備ができていたのかは分かりませんが、特に目を見張る演出はなし (昔の映像の多用は苦肉の策?)。プレゼンターたちの「棒読みジョーク」もつまらなかった。関係者の名をダラダラ並べるだけの受賞者スピーチは、やや改善されたようですが…。

 …は、さておき、なにより受賞作・人そのものが地味。
 無冠の巨匠スコセッシへの同情だけで凡庸な娯楽作品を選出し、国内外から鼻で笑われた昨年の反動でしょうか。バカにされまいと今回彼らが飛びついたのが、「コーエン兄弟」というもっともらしい「芸術家ブランド」。
 ただ近年のコーエン作品そのものに、往時の求心力を感じません。当人たちも受賞後のインタビューでは「自分たちのオリジナル脚本じゃないし…」とそっけなかった。受賞作 『ノーカントリー』 が彼らの真の代表作になるか、(ぼくは未見でもあるので)ここでは結論を出さないでおきましょう。

 また、4つの演技賞はイギリスの実力派D・デイ=ルイスの主演男優賞(2度め)を筆頭に、すべて非アメリカ人。「初ノミネート初受賞」も目立った。彼ら外国勢力やインディ系に頼らざるを得ない現実は、ハリウッドのメジャーどころがいかに低迷しているかの現れでしょう。

 それでも特筆すべきは長編ドキュメンタリー賞か。受賞は米軍の捕虜虐待を追った 『闇へ』 という作品。多くのアメリカ国民はまだイラク戦争を直視する心の準備はできていないでしょうが、同国民以外ならみんな知っていた「アメリカの闇」に、ようやく光が当たりはじめたことは評価したい。
 候補5作のうち3作はイラク戦争を扱っており、人気者マイケル・ムーア監督を完全に脇に追いやった。


 …世界を混乱に陥れたブッシュ政権の過ちは、まもなく国民の力で軌道修正がなされるでしょう。その大胆な揺り戻しは、良くも悪くもアメリカの強み。
 自ら開発した金もうけシステムにがんじがらめになってしまったハリウッドも、今後どう立て直してくるのか。新しい知性と才能の登場に期待したいものです。
 
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