【アメリカ映画】 2008.05.21 (Wed)
デ・ニーロ&ハーマンの 『タクシー・ドライバー』

今回は、ロバート・デ・ニーロがモヒカン頭になるラスト数10分だけ見ました。
(先のBS黒澤明特集でも大活躍だった仲代達矢さん同様、)若いころ!のデ・ニーロは切れて切れて切れまくり。
いよいよ銃を買い込み、鏡に向かって 「オレ様に何か用か?」 とイキがる場面の、サバのように青白い顔と腐った目!! 役者やのぅ~。(追記・・・この 「You talkin' to me ?」 は 「米映画協会AFIが選ぶ歴代名ゼリフ」 第10位だそうだ。)
正義感だけはいっぱしだが、身勝手で偏狭、迷走の果てにつまらぬ結末に行き着く主人公の「KY」ぶり。そんな大都会の孤独と狂気を余すところなく伝えていて、今でもぜんぜん古くありません。
・・・と記憶していたのだが、こんなラストだったっけ!? 甘ったる~い。おたくスコセッシの気持ち悪いヒーロー願望。
それでも、バーナード・ハーマン作曲の甘くジャジーなテーマ曲は最高! ♪
サックスが哀愁たっぷりに歌うバラードは、名パートナーだったヒッチコック作品群の「鬼才」イメージと結びつかず、しばらくの間、音楽は 「ベルナルド・ヘルマン」 というドイツあたりの別人だと思いこんでいました。
だってハーマンってこんな人なんだもの・・・
≪夜眠れなくなる、恐怖のハーマン音楽ベスト3!≫
第3位 『地球の静止する日』
SF映画の伝説的古典('51米)。ハリボテのUFOや宇宙人、電子楽器テルミンを用いた「♪フョョ~ン」音楽は、後にパロディの定番になるほどのインパクトを残す。今となっては怖いというよりどこか微笑ましいが、そこがマニア心をくすぐってやまない。♪
第2位 『サイコ』
ご存知ヒッチコック監督の代表作('60米)。ガラスを引っかいたような「シャワー・ルーム」のテーマは、身の毛もよだつ怖ろしさ。こんな旋律を思いつくなんて (いい意味で) 悪趣味の極みだ。オープニング・テーマも、心拍数が上がりっぱなしで体に悪い。♪
第1位 『恐怖の岬(ケープ・フィアー)』
元は'62年作のサスペンス。'91年、スコセッシ監督&デ・ニーロによるリメイク版で、テーマ曲も再注目された。シンプルゆえに重厚な、耳について離れない戦慄の旋律。一歩一歩迫り来る不死身の復讐鬼・・・。
これは怖い、怖すぎる。夜だろうが昼だろうが聴きたくない (でも着メロがあれば欲しかった)。♪
・・・そんなハーマンの異色作 『タクシードライバー』は、彼にとって遺作になったのだそうですね。
もしかして自身へのレクイエムだったのかと思うと、この作品を観るたび少し物悲しくなります。
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