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【『ガラスの仮面』全巻】 2019.04.03 (Wed)

ガラスの仮面第3巻≪紫のバラのひと≫

 美内すずえ 『ガラスの仮面』 第3巻 「風の中を行く」

速水真澄
「おれともあろうものが・・・!」
(旧Yahoo!アバター)
 【紫のバラのひと】

 『若草物語』公演の後半。高熱で意識朦朧のマヤ、重病のベスを熱演。
 これに心打たれた真澄、匿名で「紫のバラ」を贈ってマヤをねぎらう (「早く元気なベスになってください。あなたのファンより」)。生まれて初めて得たファンに感無量のマヤ (「ありがとう、紫のバラのひと」)。


 マヤの情熱と才能に惹かれた速水真澄が、匿名の足長おじさん 「紫のバラのひと」 としてマヤを支援。その一方で、冷酷な月影つぶしの一面をマヤに見られてしまう (「この少女にだけは…きかれたくなかった…!」)。 以後、真澄としては憎まれ、「紫のバラのひと」としては慕われ…と、どちらもマヤの芝居への原動力として正反対の方向から影響を与えていく。キャラ作りが巧い。

 なお作者によれば、このころ「マヤの父親は離縁ではなくすでに故人」という設定が決まったらしい。マヤが「紫のバラのひと」はどこかにいる実父ではないかと誤解するのを防ぐためだという。いわく、「ろくな死に方をしていない」そうだ。
 (※追記…すでに第1話の時点で、マヤ母が 「ねぇ、天国のお父さん」 と語りかけていました。)



 ≪今週の月影先生≫
 『紅天女』 の上演権を奪おうとする真澄の陰謀により公演は酷評され、スポンサー青柳との関係も悪化。劇団員にも動揺が走る。
 怒りの月影、心臓の病に倒れる (初!)。




 【月影流・熱血スパルタ教育】

 真澄と大都芸能の容赦ない攻撃にさらされる≪劇団つきかげ≫。存続を賭けた演劇コンクール東京予選では、マヤが 『たけくらべ』(樋口一葉作)主役に大抜擢されるが、真澄の≪劇団オンディーヌ≫も同じ『たけくらべ』をぶつけてくる。
 マヤ、想いを寄せる桜小路とは敵味方となり、同じヒロイン「美登利」役をつとめる亜弓の完璧な演技に打ちのめされるが、月影との雪夜の猛特訓で、自分なりの「美登利」像を完成させる。


 マヤ、重病のベスを演じるため一晩中雨に打たれたかと思えば(2巻)、月影もマヤにバケツの水をぶっかけたり、バシバシどついたり、小屋に監禁したりと、この師弟は無茶のし放題。
 しかし'76年当時は「熱血スポ根」世界がまだ力を持っていた時代(…実はすでに時代遅れだったが(「シラケ世代」用語参照を)、その「少し古い」加減が作品に風格をもたらす効果に…)、大衆少女マンガの話法としてはこれもアリ。

 マヤの主役大抜擢を、劇団員みんなで温かく祝福。トントン拍子でとても安心して読める。
 それに比べて 『巨人の星('66~71)』 などは、「栄光の絶頂が転落への第一歩」話法が強烈すぎて、物語としてとても不安定(飛雄馬の魔球が完成した時点で、花形満はその弱点を見抜いている!)。'70年代、上り坂の女社会と 下り坂の男社会の差とも取れるかも??



 ≪今週の真澄さま≫
 自身の少年時代を簡単に回顧。 第34巻 で詳細に語られる、冷徹な帝王学を叩きこまれた養子であることがほのめかされている。


 
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