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【『ガラスの仮面』全巻】 2019.07.13 (Sat)

ガラスの仮面第8巻≪『嵐が丘』『石の微笑』≫

 美内すずえ 『ガラスの仮面』 第8巻 「舞台あらし(2)」

ガラスの仮面~マヤ(白目・光)

 【『嵐が丘』 公演】

 『嵐が丘』公演。マヤの「キャサリン」と真島良の「ヒースクリフ」は、迫真の愛の演技で観客を魅了する。いたたまれず席を立つ桜小路 (真澄「最後までみてやれ。あの子が好きなんだろう?」)。
 公演は成功を収めるが、一部は「舞台あらし」マヤの未熟さに気付きはじめる。


 本来の主演・夏江梨子と加川英明ではなく、その子供時代を演じたマヤと真島ばかりが目立つ舞台・・・。これまでマヤ個人の演技だけに焦点を当ててきたが、芝居は共演者との呼吸やバランスが大事であることに触れはじめる (全体の演出に関してはさらに後)。そのまま人間の成長をなぞっているような、作者の巧みな計算がのぞく。
 壮年期と少年期が交錯する 『嵐が丘』 という作品のチョイスもぴったり! 役者たちが置かれた立場の解説は的確で分かりやすいし、何より劇中劇 『嵐が丘』 のマンガ演出が熱くノッていて目が離せなかった。

 役を引きずりマヤに恋してしまう真島に対し、鏡に向かって 「こんにちわ、あたし」 と冷静に我に帰るマヤの笑顔がちょっと憎たらしい(『キャンディ・キャンディ』っぽい)
 愛していても席を立つ桜小路に対し、愛しているからこそ「最後までみていく」 真澄。決定的な「深み」の差を見せつけたなあ! このあと、マヤとの恋を繰り広げる新しい美少年キャラが続々登場することもあって、立場がかぶる桜小路はお話から退いていく。



 【衝撃の「竹ギプス」!】

 新生「劇団つきかげ」の新しい演目は 『石の微笑』(作者オリジナル)。 「劇団一角獣」のメンバーも合流。
 マヤ、自分を殺して相手に合わせる演技を身につけるため、動きも感情もない人形の役を命じられる。竹棒で体じゅうを縛りつけられるマヤ!
 開演した『石の微笑』は大盛況。粗末だが熱気あふれる地下劇場の客席には亜弓の姿も…。


 衝撃の「大女優養成・竹ギプス」シーン! 連載時はカラー原稿の見開き絵。「熱血スポ根」的演出とはいえ、ちょっと怖い…。15の乙女の服を剥ぎとる真澄もヒドイ!? (「いやがってる場合じゃないだろ!」「いやあ!」
 あと、禅寺で修行も。もったいぶって現れたがこれっきりの、マンガチックな和尚は何だったのか (真澄の「爺や」とか??←違った)。

 よき仲間となる 「劇団一角獣」 が再登場。今の「つきかげ」(および『ガラかめ』)にいない男性の脇役端役セミレギュラーを補充。「二の宮恵子」 「田部はじめ」 などの名前は実在の漫画家や演劇人からの連想か。



今週の月影先生・・・いったん危篤に陥るも、マヤの『紅天女』への情熱が伝わって奇跡的に回復。
            もうひとりの『紅天女』候補がいることを告げる。
            また自身の生い立ちを、「尾崎一連」や「速水英介」の名前とともに簡単に回想。
今週の桜小路くん・・・自分より演劇にのめりこんでいくマヤから距離を置きはじめる。
今週のマヤ母・・・結核を患って地方へ転地。亜弓(4巻)、月影(6巻)、桜小路(7巻)につづく
            「白目」。雑誌の記事で偶然マヤの活躍を知る。
今週の“紫のバラの人”・・・中学を卒業したマヤのために、演劇活動が盛んな「一ツ星学園」への
                 進学を手配。その直前、真澄その人は大都芸能入り&生活援助の
                 申し出をフラれている。(「死んでもいや…か」


 この頃より真澄や桜小路の絵から生気がなくなり、線で描いただけの記号的な二枚目顔になっていく。作者は絵より物語志向なのだろう。ハードな雑誌連載に完璧を求めるのは酷なので、それはそれでいいと思う。むしろそういう志向の多様性にこそ、日本のマンガの面白さがある (事実、時間をかけて描き直したものが面白いとは限らないのは、皆さんもよくご存知のはず)

 なお、亜弓の絵にはまだ力がこめられており、つきかげの劇場に現れた亜弓の顔は、以後しばらくコミックス巻頭の人物紹介に用いられている (第6巻『王子とこじき』でバッサリ切った髪は、カールできる程度に伸びている)。

 
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