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【このアート!】 2008.12.06 (Sat)

ピカソ展とフェルメール展

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この秋、ピカソとフェルメール、時代も作風もまったく違う2大ビッグ・ネームの美術展に行ってきた。


ピカソ展では、自身を牛頭人身の怪物 ≪ミノタウルス≫ に例えていたのが印象的だった。

ミノタウルスといえば、その出生の経緯から、濃厚なエロティシズムを喚起させるギリシャ神話の異形。

生涯を通じてセクシャルなバイタリティにあふれた、「ますらおピカソ」 ならではの自負と諧謔にニンマリ。


と同時に、アフリカ由来の ≪プリミティブ(原始)≫ 芸術の影響が色濃い独特の造形は、

この夏に催された 『モディリアーニ展』 同様、20世紀初頭、岐路に立つ西洋美術の真剣な試行錯誤と、

「自分探し」 にもがく若きピカソ自身の苦衷が感じられた。


ぼくにとっては、世間のピカソ信奉への反発心から、「ピカソ といえば ≪青の時代≫ だよ」

なんて斜に構えていた学生時代も今は昔。

今はキュビズム時代 (…というよりその前後の時代) が一番おもしろく映る。

僭越ながら、ピカソと一緒に歳を取ってんだなあ、とヘンに実感した。




一方 『フェルメール展』 は、隠れた最高傑作と言われる 『絵画芸術』 の来日中止が残念だったが、

これだけの数が一堂に会するだけでも奇跡というもの。

一番の出会いは、陰影のコントラストが強烈な 『手紙を書く婦人と召使い』

昨年の 『牛乳を注ぐ女』 の初来日に続き、夢のような 「フェルメールの1年間」 を堪能することができた。


名作 『絵画芸術』 の来日は、来年以降の楽しみとしておこう。

あの、思わずこの身が画面に溶けてしまうような柔らかい光の表現と、

はっとするほど鮮明な輪郭・質感…、その揺るぎなき調和の美。


そんな腹八分目の余韻にひたりながら、秋空澄んだ会場を後にした。

 
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