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【『ガラスの仮面』全巻】 2020.01.07 (Tue)

ガラスの仮面第17巻≪復活の泥まんじゅう≫

 美内すずえ 『ガラスの仮面』 第17巻 ≪華やかな迷路(5)≫

ガラスの仮面~マヤ(白目・光)

 【亜弓の復讐劇】

 亜弓、「卑劣なヒロイン」 乙部のりえへの宣戦布告。(「北島マヤのためにも…思い知らせてあげる…!」
 そして舞台 『カーミラの肖像』 初日。亜弓、脇の悪役にすぎない 「吸血鬼カーミラ」 を、悲劇のヒロインとして演じあげる。のりえ演じる主人公マリアではなく、亜弓のカーミラに引き込まれる観客。のりえは、亜弓そしてマヤとの才能の差に打ちのめされる (「完全な敗北…!」)。


 『カーミラの肖像』 は、レ・ファニュというアイルランドの作家の小説 (吸血鬼ものの元祖だとか) を新たに翻案したもの。悪は徹底して懲らしめる作者に力量がありすぎるため、思わずのりえに同情する声もあるようだが、これにて 「乙部のりえ事件」 は決着。
 ・・・ちなみに美内先生の公式サイトによると、のりえはこのあとニューヨークに渡り、苦学しながら演技の勉強を続けているのだそうだ。マヤや亜弓とまた共演したいとも。「登場人物を不幸にしたくない」という美内先生らしいフォロー。

 (演出無視の演技はコッチへ置いといて、)みごとマヤのかたきを討った亜弓、卑怯な手をきらう高潔な性格もクローズアップされ、株が急上昇。父・姫川監督とのやりとりもいい (「ひとつわしの娘の役をやってもらえんかね、亜弓」)。
 さぁ、あとは当のマヤ次第・・・!



 【マヤと真澄の初キッス!】

 マヤ、民話劇の仕事でも失敗し、ついに芝居をやめる決意。責任を感じてマヤを追う真澄、雨に打たれて倒れたマヤに愛の告白! そして薬を口移しで! (「そうとも! 今こそ認めよう…! おれはお前を愛している! マヤ…!」
 真澄と芝居から逃げ、見知らぬ町の保育園で働き出したマヤに、真澄は最後の舞台を用意する・・・。


 マヤと真澄の初キッス!! 寝てる時でいいのか!?
 四面楚歌のマヤをたったひとり支える真澄。マヤの 「運命の人」 は桜小路でも里美茂でもまだ見ぬ男性キャラでもなく、速水真澄なのだな、とこの辺りから印象づけられた。
 真澄から 「取柄のない平凡な少女」 に戻ってしまうことを問い詰められたマヤの「白目」が哀しい。(追記・・・後日の目線で言えば、「とりえのない平凡な少女」を愛する自信のない真澄の愛の、この時点での浅さとも言えるかもしれない。)



 【復活の「泥まんじゅう」】

 ・・・マヤ最後の舞台は亜弓主演の 『夜叉姫物語』。 端役の 「物乞いの娘トキ」 役。
 ここでもいやがらせを受け、マヤが食べるまんじゅうが泥団子にすりかえられていた。逃げも隠れもできない舞台の上。その時、捨てかけていた芝居への情熱と本能がよみがえる!
 とりつかれたように泥団子をむさぼり食うマヤ。 「ああ うめえ。おら こんなうめえものくったことねえ」
 「おらあ、トキだ!」


 王道の熱血ドラマに弱い身としては、筆舌に尽くしがたい感動・・・ただただ感動。 『ガラスの仮面』 最大の名場面を挙げるなら、迷わずこれに投票します・・・。
 この壮絶な復活劇を最後に、長かった≪華やかな迷路≫の章は終了、次章≪100万の虹≫がカラーでスタート。(文庫版の第10巻ラスト)


 亜弓からの力強いエール (「まってるわよ」) と、いつになくやさしい真澄の笑顔。そして厳しくも愛のある月影の叱咤・・・。「つきかげ」の仲間との誤解も解けて再び帰る家を得たマヤは、ほがらかに再起を決意する。


 ページをめくればドーンと真澄のキラキラ笑顔( どき )。こういうプロの職人演出にもしびれる。

 
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