【『ガラスの仮面』全巻】 2019.11.06 (Wed)
ガラスの仮面第14巻≪「鬼千匹」の芸能界≫
本巻から1980年代へ(コミックス発売日)。

【スターへの階段】
共演の里美茂に恋をしたマヤと、恋をしたことがないと見抜かれた亜弓…。
亜弓は 「間 進(はざますすむ)」 という無名役者に接近して恋の表現を盗んでいくが、マヤはまるっきり演技ができなくなってしまう。
もてあそばれた間進くんの立場、他人事には思えません。あぁ罪な亜弓さま…。(次15巻ではベテラン俳優・田口剣に接近。あぁ亜弓さま…。)
ちなみに 「間進」 という名前は、当時絶頂を極めた吉本新喜劇の二枚看板 「間寛平」 と 「木村進」 からきてるんだろう。美内先生は大阪の人だから。
大都芸能社による怒涛のマヤ売り出し計画。水城がマヤの正マネージャーに (「あなたはスターになるのよ!」)。マヤと里美の恋を知った真澄の 「白目」。
真澄、北島母娘の 「感動の再会」 を演出するため、地方で療養中のマヤ母を軟禁状態に置く。
こうしてマヤ、たちまちお茶の間の人気者になり、里美ともさらに親密に。天性の明るさと向上心で、恋わずらいもうまく乗り越えるのだが…。
野暮ったい女優の卵・乙部のりえ登場。甲斐甲斐しくマヤの世話を焼いたり、意地悪なライバルにマヤのすごさを教えたりする。
ぼくは2割くらい、「乙部のりえ」 の正体は亜弓だと思っていました。あとの4割は絶体絶命のマヤを救ってくれる正義の実力者か。…甘かった、はずかしいわ!
【いじめの日々】
以下、マヤを恨む人リスト。傍若無人な大都芸能のやり方だと、恨まれて当然? それでも元気と笑顔を貫こうとするマヤがけなげでけなげで…。話はハードだが、マヤの不屈の明るさでかなり救われた。
≪里美茂親衛隊≫
里美と交際するマヤへの嫉妬。
(次15巻) マヤに集団で暴行を加えるが・・・
・・・真澄に撃退される。(やっつける真澄のポーズがカッコよすぎて笑える。)
≪吉川みどり (下積み女優)≫
マヤ売り出しのあおりを受け、大河ドラマ 『天の輝き』 の出番を削られる。
マヤの衣装のエリにカミソリを入れるが・・・
・・・マヤの気高い演技力と、素の無邪気な笑顔に感服 (「不思議な子…負けたわ…」)。
≪巴万里 (アイドル歌手) とそのファンクラブ≫
映画 『白いジャングル』 の初主役をマヤに奪われる。
ファンが大都芸能の車を破壊し、マヤに抗議文。お手玉の糸を抜く。(バケツは違う)
・・・万里、マヤの素直さ (「あたし、お芝居が好き…」) と、お手玉が破れてもミカンでやり抜く舞台度胸に感服 (「あの子なら許せる」)。万里に叱られてファンクラブも謝罪。
≪山崎竜子 (大女優)≫
長年つとめた 「日向電機」 のCMをマヤに奪われる。
(次15巻) マヤの演技を酷評しようとするが・・・
・・・真澄から別の大きなCM出演に誘われてコロッと機嫌を直す。
しかしまだまだ、「マヤのポスターを破損」 「パイにガラス片(文庫版8巻ラスト)」 「船のマストのネジが抜かれ、あわや転落」 「人力車の踏み板が外れる」 「くしに接着剤」 「タオルにコショウ」 「バケツが落ちて水びたし」・・・
・・・「いったい誰のしわざなの…?」
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