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【ニュース&カルチャー】 2019.03.28 (Thu)

NHKドキュ『カンボジアに医療の灯を』


テレビジョン(10)

 少し前だが、NHK-BSでやってたドキュメンタリーがよかった。
 カンボジアのNPO病院で責任者をつとめる日本人医師・嘉数真理子さんを取材したもの。
 ウンザリするほどテレビにあふれる「世界で活躍する日本人バンザイ」ものなので期待せずにいたが、いくらか客観的なつくりだったので好感が持てた。


 極端な共産主義を掲げたポル・ポト政権下、知識人が根こそぎ虐殺されたカンボジア。本を一冊持っていただけで殺されたその狂気は(『キリング・フィールド』など)映画やドキュメンタリーで有名だが、医師にいたっては全国で数十人しか生き残れなかったというから言葉も出ない。

 そんな恐怖政治を覆した同国はいま、急速な経済発展を遂げて活気にあふれているが、一度失った医師の不足、教育システムの脆弱さは深刻。
 そこで嘉数さんは、同じく焦土から復興した故郷の沖縄と重ね合わせ、その医師育成システムをカンボジアにも導入しようという。積極的に新人を問診の現場に立たせ、それを2年目が教え、さらに3年目がその面倒を見て・・・と順に教え教わっていくことから「屋根瓦方式」というらしい。

 カンボジアのエリート新人たちははじめ、嘉数さんではなく経験の浅い先輩に教わることに不満を抱くが、身近な先輩と議論を重ねることで自分には見えなかった答えを知ることになる。頼りなさげな先輩も自分の力に気づき、人に教えることでさらに経験を深めていく。
 陰で優しく見守る嘉数さんの、自分が英雄になるのではない、あくまでカンボジア人同士で教え教わっていく環境をつくるのだという信念には、大きく心を打たれた。くだんの「日本人バンザイ」ものとは一線を画すところだ。


 1時間弱の番組はあっという間。また違った編集で再構成して、深く掘り下げてほしい(最近のNHKドキュは臆面ない「二番煎じ」も多いから、たぶんやってくれるだろう)。あと、大根役者やお子様タレントではなく本職のまともなナレーターに替えて。
 こういう国内外の骨太番組は、放送時間じたいが削られているので心配しています。

 
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