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【日本映画】 2016.08.02 (Tue)

『ゴジラ』第1作だけあればいい

『ゴジラ』ポスター(白黒)

 『ゴジラ』の最新作が公開ということで、伝説の第1作を久々に観ました。
 1954年・東宝。壊滅的敗戦からわずか9年。同年の「第五福竜丸」事件も重なっての、作り手・演者の熱気や迫真にあらためて圧倒されました。

 当時は東宝も円谷も、あきれるほどノンキに戦記ものや放射能ものを作っていたので、本作を純粋な 「反戦・反核」 映画でくくるのは早計だと思います。
 が、身を焼かれ、踏み潰され、住む家を追われるエキストラの顔は、それを実際に味わった人たちの顔。(そんな愚かな時代を許した・支持した人たちでもある。)
 そして、モノクロの夜にゆっくりと襲来するゴジラからは、着ぐるみ怪獣ショーで育った幼少の思い出を全否定されたような、本当に背筋が凍るような戦慄をおぼえました。
 驚くほど静かに繰り広げられるクライマックスの対決も出色。ただの娯楽映画で終わらないゆえんがあります。


 後年の子供だましな娯楽シリーズ化を嘆く声も多いですが、むしろそっち路線に転じてよかったのではないか。
 戦争を知らない、学んでいない世代が、ゴジラ映画にどう新しい意義や視点を見出したのかは知りませんが、リアルな破壊と殺りくの描写はそう簡単にマネできるものではないし、再びマネできる時代が来ても困る。まして、外患をタテに軍隊が跋扈するなどもってのほかだ。

 ラスト、志村喬演じる博士の名警句――

 「あのゴジラが最後の一匹だとは思えない・・・。もし水爆実験が続けて行われるとしたら、
  あのゴジラの同類が、また世界のどこかに現れてくるかもしれない・・・」


 ――破滅への火種はくすぶり続けたままですが、今のところ その後のゴジラが凡作に終わっているのは、現実の人類にとっては幸福だったのかもしれません。


  『ゴジラ』
 製作/田中友幸 (東宝黄金期のヒットメーカーであり、最初にゴジラ設定を思いついた発案者)
 監督・脚本/本多猪四郎
 脚本/村田武雄
 特殊技術/円谷英二
 音楽/伊福部昭
 主演/宝田明、河内桃子、平田昭彦、志村喬
 1954年、東宝


 
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*Comment

■Re: 『ゴジラ』第1作だけあればいい

こんにちは。
ゴジラ、やはり第一作のインパクトに勝るものはありませんね。意外にも高評価のシン・ゴジラもみ比べてみたいのですが。
カノッチ |  2016.08.05(金) 18:23 |  URL |  【コメント編集】

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