【クラシック音楽】 2016.05.12 (Thu)
ベートーヴェンの 『悲愴ソナタ』 聴き比べ
ベートーヴェンのピアノソナタ第8番 『悲愴』 ――
とくに甘くせつない第2楽章が、クラシック界を越えて広く親しまれている名曲中の名曲。
ぼくも生まれてこのかた大好き。その時々で嗜好が変わっても、やっぱり全ベートーヴェンの中で一番大好き。
動画サイトをサーフィンしてたら、たまたまこんな投稿を見つけたので拝借しました。そうそうたる巨匠の演奏集。思いつくまま気ままに感想を・・・。
【YouTube】ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」第2楽章 聴き比べ
≪エミール・ギレリス (ソ連)≫
「名盤」ということで昔この人の「後期ピアノソナタ」CDを買ったけど、ぜんぜん好みじゃなかった。
いかにもソビエト的な乾いたプラスチックのような音、何がいいのか何度聴いてもさっぱり分からん。・・・パス!
≪フリードリヒ・グルダ (オーストリア)≫
実家の父のコレクションにモーツァルトのピアノ協奏曲CDがあったのですが、クセが強いイメージがあったので、こういう古典派モノは避けて通っていました。
いま聴いてみると、これが思いのほか良い! がっちりと整った骨格の中にも現代的なスマートさ。21世紀の今なら、「これが正統派ベートーヴェン」と呼んでもいいのではないか。ようやくぼくの耳が追いついた。
≪ウィルヘルム・ケンプ (独)≫
バックハウスと双璧を成した名ベートーヴェン弾き。実家のCDもこの人。ぼくはこれを聴いて育ちました。
技術面ではたどたどしいけど、もう何とも言えない味があって、忘れがたい離れがたい魅力。(1964)
この 『悲愴』 第2楽章は、「悲愴」といっても 『若きウェルテルの悩み(ゲーテ)』 に例えられる、ほろ苦い青春の痛み。ケンプの演奏は過ぎ去ったこの青春を追憶するかのようで、厳しい表情の中にもどこかしら温かみを感じさせます。
お酒が入っていたらダントツ1位。
≪ウィルヘルム・バックハウス (独)≫
人呼んで「鍵盤の獅子王」。ベートーヴェン直系の、20世紀を代表するベートーヴェンの大家。ぼくも 『悲愴』 を含む3大ピアノソナタのCDを持っています。
ただ、ほかの重厚な曲だとさすが威厳と風格に満ちているのだけど、こういう甘美なメロディはちょっと似合わない。よりによってこの曲だけ、ハズレ感があった。
≪グレン・グールド (カナダ)≫
奇才グールドの、淡々と刻む演奏は好みじゃないんです。たまにハッとさせられる演奏もあるにはあるけど、天下の楽聖ベートーヴェンは別の人で聴きたいなぁ・・・。
≪ウラジミール・ホロヴィッツ (露/米)≫
悪酔いしそうな悪魔の指使い。この人らしいケレン味たっぷりなんだけど、いや、嫌いじゃない。むしろ好きかも・・・。
全曲をぜひ聴いてみたくなった、まさに悪魔の誘惑!
≪アルトゥール・ルービンシュタイン (ポーランド/米)≫
最後は、20世紀最大のピアニストともいわれる巨匠を――。
バックハウスのようにコワモテすぎず、ケンプよりもちろん上手く、ホロヴィッツやグールドのような奇抜なクセもない。とてもバランスが整っていて一番良かった。
ぼくが持っているショパンのCD集は古くさくて時代遅れな印象だったけど、ベートーヴェンなら聴けるかも。ベートーヴェンはあまり斬新すぎるより、古いいかめしいほうがぼくの好みです。
・・・ぼくの1位ルービンシュタイン、2位は思い入れ深いケンプ、3位は新発見グルダ、そして大穴ホロヴィッツ。
みなさんは誰がお好みですか?
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私も音楽大好きです❤
特にベートーヴェンの悲愴は、聴いていると涙が出そうに
なります。
私はワーグナーも好きかな♪
クラッシックも好きですし、ブラバンだったのでマーチ系も
好きですし、ロックも好きです。
一貫性はないみたいです。
ときどき、ブログをのぞかせてくださいね。