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【京都・奈良&和ふう】 2016.04.11 (Mon)

人を動かす『鑑真和上坐像』

鑑真和上坐像
(国宝とその複製)

中国人の知人から、「日本の"鑑真"の仏像を見たことがある」という話を聞きました。

奈良の唐招提寺にある、あの、教科書に載っていた有名な像。

それを日本じゃなくて、故郷の中国で見たそうなんです。


――国宝 『鑑真和上坐像』 が中国に「里帰り」したのは1980年。

鑑真が住職を務めていた揚州・大明寺などで展示され、中国に「鑑真ブーム」を巻き起こしたそう。

知人も、どこまでも続く長い行列に並び・・・、それでも子供ながらに高揚したのを覚えているとか。

鑑真像の里帰りは、文化大革命で徹底弾圧・破壊された中国の仏教が復興される

大きなきっかけになりました。


そして里帰りにかけた思いは、日本にとっても同じ。

不幸な日中戦争を経て、唐招提寺もまた戦後の廃墟同然からよみがえった。

震える声で 「お里ですよ」 と像に語りかけた長老(住職)の森本孝順さん――

執念ともいうべき使命感のエピソードには思わず胸が詰まりました。


 唐招提寺御影堂 『鑑真和上坐像』

 実在の人物を写実的に描く肖像彫刻、その日本初にして最高傑作のひとつ。鑑真が亡くなる直前につくられたというので、実際にその姿を知る仏師がリアルに模写したと思われる。 

 こまかな表現を可能にしたのが、「脱活乾漆(だっかつかんしつ)」というつくり。麻布や木くずのパテを漆で塗り固めていく、いわゆる「張り子」細工。それをヘラではなく指先で丁寧に仕上げたものだと調査でも裏付けられた。
 麻布は、鑑真が実際に身に着けていたものかもしれないとのこと。

 像は劣化を防ぐため、年に数日しか公開されていなかったが、数年前には忠実なレプリカが作られ、常設展示されるようになった。中国側にも寄贈されたそうだ。



命がけで海を渡り戒律を伝えた偉人の遺志は、かくも周りの人々を熱く動かすのか。

いや、たしかに鑑真その人、そしてその高い精神が宿ったこの像なら分かるというものです。

 
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