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【このアート!】 2016.03.12 (Sat)

バロックの革命児カラヴァッジョ

カラヴァッジオ『ゴリアテの首を持つダヴィデ』
カラヴァッジオ 『ゴリアテの首を持つダヴィデ (1610頃)』


 イタリア美術の巨匠カラヴァッジョの展覧会が東京ではじまりました。

 ルネッサンスからバロックへと、時代をこじ開けた革命児。(海の向こうは関ケ原や真田丸の1600年ごろ。)
 ティッツィアーノなりヴァザーリなりティントレットなり・・・、それまでの、ミケランジェロ以来の様式美を重んじる「マニエリスム」派と比べると一目瞭然。 描かれる人間の生々しさ、下品さ、血なまぐささ!
 ・・・はっきり言ってぼくは苦手でした。


 キューピッドがちんちんをさらけ出してニヤつく 『愛の勝利』。キューピッドがつかさどる「愛」は「エロス」の事だとしても、このドヤ顔はもはや変態だ。(以下、リンク先はGoogle画像検索ページ)

 代表作のひとつ 『バッカス』 は日本の芸者みたい。昔の「赤玉パンチ」の広告にありそう。そもそも 「バッカス=ディオニュソス的」 な感じじゃないし。


 そしてカラヴァッジョといえば、メデューサ、ゴリアテ、ヨカナーンらのおぞましい生首の数々!
 カラヴァッジオ自身、素行が悪く殺人まで犯したヤクザな男として知られていますが、40年にも満たないすさんだ人生で見たものは、それだけ醜く罪深いものばかりだったか。描かれた生首の多くは自画像なんだそうです。(法的・財的パトロンに向けての「ざんげアピール」との声がもっぱら。)

 人間、見たくないものにはじめて光を当てた、生々しいドラマ性。
 首を斬る瞬間の一枚 『ホロフェルネスの首を斬るユディト』 は、後継者にあたるアルテミジア・ジェンティレスキ作のほうがずっと迫真・凄絶ですが、それだけ後の世代にショックと影響を与えたということ。
 彼がいなければ、ルーベンスもレンブラントもベラスケスも、果ては印象派マネまでなかっただろうと言われるのもうなずける。神々から真の「人間」の時代へ――。その絶大な影響力、開祖ミケランジェロをエルヴィス・プレスリーとするなら、異端児カラヴァッジョはジミ・ヘンドリックスみたいなものでしょうか。


 中でもぼくが唯一(!?)好きなのは、記事上の作品 『ゴリアテの首を持つダヴィデ』。(無断掲載ごめんなさい)
 英雄とされるダヴィデの、この何とも言えない表情!
 とはいえ、単純なせつなさ・哀しみ・無常感とはぜったい違うと思います。「ほれ、首獲ってきた」「うへー、血ヘドがついたー」といったような、「死」が身近で隣り合わせにある者の日常のひとコマ、その絶妙の瞬間を切り取ったにすぎないのではないか。 ぼくには現代の戦場写真で見たあるゲリラ兵の顔と重なり、生首以上に衝撃を受けました。
 

【続き・・・】


 いやよいやよも好きのうち・・・? こうして手持ちの画集をめくっているうち、なんだかカラヴァッジョのファンになりつつあります。汚れ仕事もいとわない、リアクション芸人に通じるものだってあるかも。
 食わず嫌いはやめて、展覧会に行ってみよう。ダヴィデやバッカス、来日してるかな?


≪カラヴァッジョ芸人の名リアクション集≫


『ロザリオの聖母 (1607)』
カラヴァッジオ『ロザリオの聖母』
「どうぞどうぞ」



『トカゲに噛まれた少年 (1593-94頃)』
カラヴァッジオ『トカゲに噛まれた少年』
「箱の中身はなんじゃろなっ♪」



『イサクの犠牲 (1603頃)』
カラヴァッジオ『イサクの犠牲』
「押すなよ~、押すなよ~、お…!」



『メデューサの首 (1598-99頃)』
カラヴァッジオ『メデューサの首』
「殺す気かーっ!」


 
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