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【欧州&世界映画】 2016.01.18 (Mon)

ルコント×ブラームス 『仕立て屋の恋』

『仕立て屋の恋』

 ラジオからブラームス『ピアノ四重奏曲第1番』 が流れてきました。
 官能的な第4楽章が 「ジプシー風ロンド」 と呼ばれて有名。そして同時に、パトリス・ルコント監督1989年の出世作 『仕立て屋の恋』 を思い出させます。


 【YouTube検索ページ】 『仕立て屋の恋』 予告編


 向かいのアパートメントの美女に恋をした孤独な男。彼は声をかけるでも触れるでもなく、ただ窓から彼女の姿をのぞき見するだけ。やがて、自分を見つめる視線に気づく女――

 ――始まりはとんだ変態ストーカー話だったのですが、そこから物語は狂おしいほど切ない方向に動きだします――

 ――あろうことか、みずから男に接近する女。からかいか、自分も求めているのか、それとも・・・?


 女のそれがいつわりだと分かっていても、何とかして想い人をつなぎ留めたい男の訴え、すごく分かります。あの「2枚のチケット」はぼくも人のこと言えなかったから。
 むしろ「偽り」だからのめり込んでしまったのかもしれない。はた目には叶うはずのない愚かな期待に酔ってしまうように。

 そしてクライマックス、あの一瞬のスローモーション! 今でこそよく見るカメラ演出になったけど、当時はしびれまくったものだ。
 主人公目線で動くカメラ。(それまでとは逆の立場になって)窓から自分をのぞく顔。なんて残酷で切ない結末だろう。


 匂いや指先の愛撫などルコント監督らしいフェティシズムを交え、官能美薫るサスペンスとして忘れがたい名作に。
 そして、印象的なブラームスの 「ジプシー風ロンド」。はじめはタンゴか何かラテンの調べだと思ってた。クラシック曲でも指折りの扇情的な旋律を、真面目で保守的と言われたあのブラームスが作ったというのも驚きです。



 『仕立て屋の恋 (1989仏)』

 監督/パトリス・ルコント
 原作/ジョルジュ・シムノン (古典推理小説の大家)
 主演/ミシェル・ブラン
     サンドリーヌ・ボネール
 音楽/マイケル・ナイマン
 挿入曲/ブラームス 『ピアノ四重奏曲第1番』


 
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*Comment

■Re: ルコント×ブラームス 『仕立て屋の恋』

初めまして
なななんか、映画の趣味が合いそうなので参考にさせていただきます。
すみません、ちゃんと全部拝見していないんですが、ルコントなら、「タンデム」はご覧になりましたか?
空の色がきれいで、切ない映画です。
ちょっと違うけど、少し古くて、もし観てなかったら「スケアクロウ」
ジーンハックマンの野趣満点な荒々しさと繊細さ、若くて、青さの残るアルパチーノのコンビが最高です。
あと、「奇人たちの晩餐会」
これ、私は大好きなんですが、他で聞いたことがないんです。
ベルギーだかフランスの映画です。
突然j自分の趣味を・・・失礼いたしました。
周りにこの手の話する人がいないんで思わず・・・
oops4 |  2016.02.27(土) 08:26 |  URL |  【コメント編集】

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