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【京都・奈良&和ふう】 2015.09.28 (Mon)

なにまことしからずとや・・・能 『二人静』

能『二人静』
(参考)

 このごろは 「お能」 を観にいくことも叶わず、寂しい思いをしています。
 あの幻想的で張りつめたムードが好きなだけの初心者ですが、中継をテレビで流しているだけでも格別。
 そこで、ずいぶん昔にNHKを録画した 『二人静』 のビデオを引っぱり出してきました。


 名作中の名作 『二人静(ふたりしずか)』

 新年の若菜を摘みにきた巫女が、「私の霊を弔ってほしい」 と言う不思議な女と出会う。
 その女とは、源義経の寵姫として知られる静御前の亡霊。巫女と静の霊はともに舞い、無念のうちに世を去った静の哀しみを分かち合う。



 圧巻なのが、「ひとりの人物をふたりで演じる」というタイトルのゆえんになった場面。 巫女が不思議な出会いのいきさつを周りに話しているうち、静御前の霊に乗り移られるその瞬間!


 「まことしからず候ふほどに、申さじとは思へども・・・なにまことしからずとや!」
 (「まことの出来事ではないので、お話するほどの事ではないと思ったけれども・・・まことではないだと !?」)


 地の隙間から湧きあがるような、静かなる怨霊の迫力。ぞわぞわっと鳥肌!
 中継映像だとそこにカメラの演出が加わるので、生の観劇とはまた別の、空気が一変する瞬間をはっきりと味わえます。




 見どころとされるのはやはり、「ふたりの静」による舞の競演。能面をつけた状態で相手の動きに合わせなければならない、演者ふたりに同等レベルの技量が求められる難曲中の難曲だそう。(そこを合わせて驚かせてこそ、国の、世界の「宝」なんだけどねえ。)
 もっとも、技術的なシンクロナイズにはあまりこだわっていないよう。舞いの最後、静御前の恨みと悲しみに心から寄り添う 「精神の同化」――、その時はじめて 「二人静」 がひとつになったのだと、しかと伝わりました。すばらしかった。


 「思ひ返せば いにしへも 恋しくもなし憂き事の 今も恨みの衣川」
 (むかしを思い返してみても、憂き事ばかりで恋しくもない。平泉を流る衣川を、今も恨めしく思う)


 ・・・『二人静』 は近々、京都で上演されるとか (上のポスター)。 映像だけでは分からない場の全体像や空気の温度変化を、ぜひ一度体験したいな。

 
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