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【アメリカ映画】 2015.04.02 (Thu)

イースターだから 『イースター・パレード(1948米)』

イースター・パレード

 欧米のキリスト教圏ではいまイースター(復活祭)一色。週末の連休に向けて、すっかり浮き足立っています。
 子供たちは、お外に隠した色とりどりの「イースター・エッグ」で宝探し。当日明けのごちそうの準備なんかでも大いそがし。(イースターのウサギは食べるわけじゃないのか。)

 そんなイースターといえば、1948年のミュージカル映画 『イースター・パレード』
 主演は豪華、フレッド・アステアジュディ・ガーランド。 当時ふたりとも 「半引退」 状態だったのに、ブランクをまったく感じさせない名演名唱!


 アステアなんか、ほんとに引退する気だったのかウソだろってくらい、激しく軽やかなダンスを見せてくれます。
 冒頭、おもちゃ屋さんで踊る 「♪Drum Crazy (ドラム・クレイジー)。子供に先に取られたぬいぐるみを、面白おかしく言いくるめてせしめる鮮やかな手口・・・いやステップに今日もほれぼれ。
 中盤の盛り上がり 「♪Steppin' Out with My Baby」 では、激しいダンスをスローモーションで見せる演出が斬新でカッコいい!

 何より、決してこまかい編集に頼らず、カメラの長回し一発で仕上げるところがすごい! それが一番感心させられる。
 この時代の(に限らず)スターたちは、裏では文字どおり血のにじむような鍛錬とリハーサルを重ね重ねていたとか。その上で、これだけの事をサラリとやってのけるのだから。

 ガーランドも、「♪I Love a Piano」 「♪It Only Happens When I Dance With You」 などで成熟した、堂に入った歌声を披露。歌唱面ではさすが、彼女がアステアをリード。
 だけどこの頃の彼女は、肉体的にも精神的にもボロボロだったと知っているから、なおさら泣けてきて仕方ありません。(下の【続き…】に。)

 ちなみに音楽は、あの 『ホワイト・クリスマス』 で有名なアーヴィング・バーリン。メドレー形式でキャッチーな旋律を惜しげもなく投入してくれます。

 アイディアにあふれて見どころいっぱい。主演男優が、監督が、脚本家も途中で代わる紆余曲折がありながら、驚くほど完成度の高い歴史的名作に。MGMミュージカルの大プロデューサー、アーサー・フリード全盛期の底力というか意地を感じさせます。
 ぼくもMGMものでは1、2をあらそうくらい好き。


 お話は、パートナーに捨てられたブロードウェイの人気ダンサーが、あらたに酒場の娘をきびしく鍛えていくうちに恋が芽生えて、というもの。いちおうイースターの時期が舞台になっているものの、特に関係なし・・・
 ・・・と思わせておいて、最後にどーんと持ってくる心憎さ。MGM社が誇るオープンセットに、何人集めたんだってくらいのエキストラを総動員して、にぎやかな 「イースター・パレード」 を再現してくれます。 オーラス、主題歌の大合唱での終幕にもう拍手拍手。

 ちなみにパレードといっても本当にパレードするわけではなく、この日ばかりはよそ行きのおしゃれをして、みんな大通りに繰り出しましょう、というもの。今日では奇抜な格好をしたりコスプレしたりする人も多い。
 ぼくはキリスト教徒じゃないから大して知らないし、人ごとなんだけど、すてきな映画を思い出せてくれてありがとう、なイースター・ウィークエンドでした。
 

【続き・・・】


  ≪トリビアあれこれ≫

 当時、過酷な芸能生活にもまれて精神を病み、薬物におぼれていたジュディ・ガーランド。ようやく療養施設を出たその復帰作として企画された。MGMミュージカル黄金時代をつくりあげた大プロデューサー、アーサー・フリードの肝いりで製作。(下世話だけど、ふたりはデキていた。しかも完全に体だけの関係。)

 監督ははじめ彼女の夫ヴィンセント・ミネリであったが、すでに結婚生活は破たんしていたため、ガーランドの負担にならないよう降ろされた。代わりに、名振付師のチャールズ・ウォルターズが初メガホンを執ることに。のちの人気作家シドニー・シェルダンも、監督交代によって急きょ起用されたひとり。

 また、もとの相手役は売れっ子ジーン・ケリーだったが、彼も直前のケガで降板。
 その直々の指名で担ぎ出されたのが、50歳を前に第一線から遠ざかっていた戦前の名優フレッド・アステア。これで劇的な復活を遂げたアステアは、このあと 『恋愛準決勝戦』 『バンドワゴン』 『ザッツ・エンタテインメント』 などで第2の全盛期を迎え、幸福なキャリアを送った。

 一方、このあとも精神面の乱高下を繰り返したガーランド。『スタア誕生』 や 『ニュールンベルグ裁判』 などの熱演で「オスカー確実」とされながらも、撮影を投げ出したりなどの奇行がたたって現場の支持を失い、そのショックで再び薬物に手を出すという悪循環に。最期は睡眠薬の過剰摂取で47歳の若さで亡くなった。



 『イースター・パレード(Easter Parade)』

 製作/アーサー・フリード
 監督/チャールズ・ウォルターズ
 脚本/シドニー・シェルダンほか
 撮影/ハリー・ストラドリング
 音楽/アーヴィング・バーリン

 主演/フレッド・アステア
     ジュディ・ガーランド
     アン・ミラー
     ピーター・ローフォード

 MGM製作、1948年

 
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