【欧州&世界映画】 2014.08.30 (Sat)
続・夕陽の「良い奴、悪い奴、汚ねェ奴」

マカロニ・ウェスタン最高傑作のひとつ 『続・夕陽のガンマン』!! 1966年イタリア映画。
アメリカ南北戦争を舞台に、「The Good, the Bad and the Ugly」 ・・・「良い奴、悪い奴、汚ねェ奴」 の3ガンマンが、隠された軍資金を手に入れようと三ツどもえの化かしあいを繰り広げる。
監督は御大セルジオ・レオーネ、音楽は巨匠エンニオ・モリコーネ、そして・・・
良い奴=クリント・イーストウッド
悪い奴=リー・ヴァン・クリーフ
汚い奴=イーライ・ウォーラック
・・・のオールスター、マカロニ最強チーム!
「アァアァア~!(ホワホワホワ~♪)」
あの挑発的なテーマ曲に乗せて、男くさい男だけの男どうしの闘いを3時間! 濃すぎて胃もたれ必至の大傑作です。
(前'65年の 『夕陽のガンマン』 と監督・演者が同じことから 「続」 とつけられているが、実際はなんら関連なし。ほんっとつまらない邦題だ。また水野晴郎の仕事だろうか。)
【日本語吹き替え】
とくに吹き替え版はその歴代でも指折りの、伝説の名演。 1973年 『日曜洋画劇場』 バージョン。
C・イーストウッド=山田康雄
L・V・クリーフ=納谷悟朗
E・ウォーラック=大塚周夫
・・・言うまでもない 『ルパン三世』 初代メンバーそろい踏み! 次元役の小林清志さんも脇役で出ています。 (ちなみにルパン開始は'71年。)
それぞれが最高にシビれる男の真髄を演じてくれるのだけど、白眉はやっぱり大塚周夫さん。
初代ねずみ男からC・ブロンソン、初代石川五エ門まで・・・。ここではねずみ男路線のこすっからい小悪党ぶりがおかしくて、さすがの芸の幅でうならせてくれます。 イーストウッドに命乞いする 「ごめんなさぁ~い!」 は、吹き替え史に残る珍セリフとしてその筋では有名。
・・・'66年の劇場公開時には、もう下火になりつつあった 「マカロニ・ウェスタン」 映画の人気。それが'80年代の 「声優ブーム」 に乗ってまずこの吹き替え版から再評価され、今のカルトな評価確立に至りました。
(公式の宣伝用だから勝手に載せるね。)
公式サイトでも「吹き替え版収録」が売りの目玉みたいだ。女ウケなんか無視した、作品愛が感じられる実にいい作り。ただしこの「吹き替え完全版」、声の追加収録はやはり違和感があるらしい。もっともぼくにはテレ東『午後のロードショー』の録画ぶんがあるからいいんだけどね。(TV用にカットされてはいるけど。)
【三ツどもえのクライマックス!】
見せ場は何といってもクライマックス、三ツどもえの決闘!
3人向かい合って誰を撃つのか、誰から撃たれるのか、「三すくみ」 のにらみあい探りあいが延々と続く。延々5分・・・長げーよ! ジリジリするよ!
そうやってさんざん焦らされ、もてあそばれたところで高らかに歌い上げる、モリコーネ哀愁のトランペット! ・・・もうたまんねーよ!鳥肌モノだよ! (♪『The Trio』.)
墓地にこだまするピストルの残響音。 それは屍肉をあさるカラスの叫びのようでもあり、死にそこねた亡霊の断末魔のようでもあり。使う拳銃によってそれぞれに個性があり、殺伐とした荒野に一種の「音楽」すら感じさせます。
【良い子、悪い子、汚ねェ子】
善玉悪玉って言いながら、イーストウッドもたいがい汚いヤツなんで、めまぐるしく立場が入れ替わる三者それぞれに肩入れできるところが最大の魅力。
とくに吹き替え版のラストは、オリジナルにはない3大名優の声のサービスでシメてくれる。
「俺、汚ねェ奴」
「俺、悪い奴」
「俺、いい人」
くぅ~! また3時間観るか。
【続き・・・】
【「The Ugly」 よ永遠なれ!】
「汚ねェ奴」 のイーライ・ウォラックさん、この2014年6月24日に亡くなられた。
もうひとつの代表作 『荒野の七人』 の悪ボスなど、脂ぎった卑劣な悪役をやらせたら右に出るものなし。(メキシカンな印象だが実際はユダヤ系。)
本作のテレビ用吹き替え版では、彼のシーンが大幅カットされてスターのイーストウッドを強調しているが、それでもなお際立つ体臭と強烈な存在感。イーストウッドを食っちゃった事実上の主役だ。
享年98歳の大往生に、合掌・・・。
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