【欧州&世界映画】 2013.08.20 (Tue)
ジャン・ルノワール 『ピクニック (1936仏)』

ジャン・ルノワール監督、未完の佳品 『ピクニック』。 1936年フランス映画。
都会からピクニックにやってきた一家と、村の若者たちのひとこま。
ロケが長雨にたたられて、そのまま撮影中止になった40分弱。
何よりもまず、その鮮烈な映像センスに目を奪われました。
村の若者が窓を開けると・・・
パッと光が広がって、遠くのブランコに乗る娘にピントがばちーん!
これにはやられた。
そしてブランコに乗る娘。
カメラも一緒にブランコに乗ってる若々しい躍動感。 世界一かれんな四次元殺法。
でも一番おどろいたのは、光の輪郭がずいぶんくっきり、ビビッドなんですね。
父オーギュストの 「印象派」 絵画の真逆。
(のちの黒澤明×宮川一夫 『羅生門('50)』 は、このメリハリある陰影から影響を受けていそうだ。)
本当は、ジャンと父オーギュスト・ルノワールを安易に結びつけて比べたくないのだけれど、
それはこういうところの決定的な違いにも表れています。
それでも言いたい。『ぶらんこ』 といえば、父オーギュストのすてきなすてきな絵画をまず思い出す。
絵画の中の、青いリボンをあしらったかわいいドレスは、映画では母親役が 「っぽい」 のを着ています。
ジャンは本来、リアルな社会劇を作風としていましたが、
印象派絵画に由来する 『草の上の昼食』 や 『フレンチ・カンカン』 も映画にしている。
余技と呼ぶにはぜいたくな 「父子競作」 です。
愛らしいヒロイン役に、あのひねくれ哲学者を夫を持つシルヴィア・バタイユ。
音楽は、あのシャンソンの名曲 『枯葉』 だけでも歴史に残るジョゼフ・コズマ。
助監督にあの若きベッケル、ヴィスコンティ、H・C・ブレッソン・・・、なんというエリート・スクールか。
そして劇中の食堂のヒゲオヤジが、ジャン・ルノワール監督ご本人。
むかし初めて写真で見たときは、「絵の中の、あの可愛かったジャン坊やが・・・」 とショックでした。
【続き・・・】
・・・お話はそのあと、ひと夏だけのランデブーへ。
相手役の青年が 「Mr.ビーン」 みたいだったので乗れなかった。どっちもどっちだけど、こっちかよー。
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