【ヒッチコック全作品】 2013.04.26 (Fri)
『快楽の園 (1925英独)』

≪感想≫
平凡なメロドラマ。
ヒッチの演出・編集は手堅くまとまってはいる。終盤のスリリングな場面は、ヒッチだからこそなのかな? ヒッチじゃなくても当時このくらい出来たのかな? いずれにせよ 「ヒッチコックの監督デビュー作」 と言われなければ、特に・・・が正直なところ。
例によって、後年ソフト用につけられた音楽が最低。喜びを盛り立てたり不安を誘ったり・・・のような劇伴音楽の役割を果たしていない。学生くさい独りよがり。
A・ヒッチコック監督第1作 『快楽の園 (1925英独)』
出演/ヴァージニア・ヴァリ (パッツィ)
カルメリータ・ゲラフティ (ジル)
マイルズ・マンダー (レヴェット)
ジョン・スチュワート (ヒュー)
≪あらすじ≫
ナイトクラブ“快楽の園”の踊り子パッツィは、上京したての田舎娘ジルの面倒を見ることに。またたく間に人気の踊り子になったジルは、婚約者ヒューをないがしろにし、華やかな世界に染まっていく。一方のパッツィも、ヒューの親友レヴェットと結ばれるのだが・・・。
≪解説≫
ヒッチコック26歳の初監督作は、意外にもメロドラマ。新人時代は会社から与えられた題材を作るサラリーマン監督だったので、さまざまなジャンルを手がけている。力をつけ、サスペンスに特化するのは'34年 『暗殺者の家』 から。
それでも当時の映画先進国ドイツの撮影所≪UFA (ウーファ)≫で多くのことを吸収したヒッチは、期待の新人監督として早くも注目の的に。監督名だけでも客を呼べる、イギリス映画初のスター監督として駆け上がっていく。
サイレント作品。
≪裏話≫
新人監督ヒッチと助監督、カメラマン2人に主演3俳優だけで回った独~伊ロケは、その日の食事にも事欠くほど困窮したらしい。その時の助監督こそ、婚約中の同僚アルマ・レヴィル。翌1926年結婚し、公私のパートナーとしてヒッチとその作品を生涯支えた。
またプロデューサーのマイケル・バルコンは、サイレント映画の字幕書きにはじまり、美術~脚本~助監督などで経験を積んだヒッチを監督に抜擢し、のちには大スランプのヒッチを救った最大の恩人。1963年アカデミー作品賞 『トム・ジョーンズの華麗な冒険』 の製作総指揮。 孫は現代の名優ダニエル・デイ=ルイス。
≪ヒッチはここだ?≫
※有名なヒッチ自身の 「カメオ(チョイ役)出演」 が始まるのは、第3作 『下宿人』 から。当初はエキストラ不足を埋めるためだったので、イギリス時代は出演していない、または判別できない作品が多い。
『THE PLEASURE GARDEN』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/エリオット・スタナード
原作/オリヴァー・サンディス
撮影/バロン・ヴェンティミリア
助監督・記録/アルマ・レヴィル (翌'26年にヒッチと結婚。)
製作/マイケル・バルコン、エーリッヒ・ポマー
英ゲインズボロー&独エメルカ社 98分 (資料によって上映時間がまちまち)
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