【ヒッチコック全作品】 2013.04.16 (Tue)
『山鷲 (1926英独)』

A・ヒッチコック監督第2作 『山鷲 (1926英独)』 (現存せず)
出演/ベルンハルト・ゲッケ (ペティグルー)
ニタ・ナルディ (ベアトリス)
マルコム・キーン (“山鷲”ジョン)
ジョン・ハミルトン (エドワード)
≪あらすじ≫
ケンタッキーの女教師ベアトリスは、傲慢な商人ペティグルーからしつこく言い寄られるが、これを突っぱねたことから商人の恨みを買ってしまう。山中に逃げ込んだ彼女は、そこで「山鷲」と呼ばれる青年ジョンと出会い恋に落ちるが、ペティグルーの横恋慕がふたりを阻む。
≪解説≫
今では数枚のスチール写真が残っているだけの、幻の作品。ヒッチコック監督作品で現代人が観られないのは本作だけ。 新人ヒッチの演出はある程度評価されたが、原作物語じたいが当時から古くさいとの評で、ほとんど興行に回されなかったためらしい。
監督第1作 『快楽の園』 および大ヒットした第3作 『下宿人』 とほぼ同時期に製作・公開。サイレント作品。
日本の解説書には、アメリカ公開時の題名 『神のおそれ(Fear o’ God)』 を用いているものもある。(アメリカにもフィルムは残ってないの?)
≪裏話≫
早くからヒッチの才能に気づく声が挙がる一方で、彼の当時斬新なセンスは業界内や観客の多くにはまだ理解しきれないのも、映画後進国イギリスの現実だった。またヒッチその人の不遜で小なまいきな態度も、一部の上層部から「出る杭は打たれる」ことにもなっていたという。
『THE MOUNTAIN EAGLE』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/エリオット・スタナード
撮影/バロン・ジョヴァンニ・ヴァンティミリア
製作/マイケル・バルコン
英ゲインズボロー&独エメルカ社
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