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【欧州&世界映画】 2012.11.04 (Sun)

クルーゾー×モンタン 『恐怖の報酬 ('54仏)』

『恐怖の報酬』


 大量の劇薬ニトロを運ぶために雇われた男たちの決死行・・・を描く名作映画 『恐怖の報酬』 (1954年フランス)。

 2時間半の長尺のうち、最初の1時間はほんと退屈でした。 アタマの悪い田舎チンピラどもの、仕事もなくダベっているだけのしょうもない日常をダラダラと。

 ちょうど1時間ごろから、いよいよニトロを運ぶ命賭けの道のりがはじまります。 少しの振動も許されない悪路、行く手をさえぎる巨岩や原油だまり・・・、次から次へと突きつけられる、スリリングな展開に引き込まれていきました。
 後半はあっという間。

 そして映画を見終えて・・・。そうか、最初の退屈な1時間はやはり必要だったんだ。

 それは 「貧しくとも勇敢に」 なんてきれいごとじゃない。描いてみせたのは、学も仕事もなく社会の底辺に落ちぶれた者の、救いようもない愚かさと逃げられない生活の現実。
 ラストがまさにそう。 死と隣り合わせの報酬に浮かれてしまう男の、生の切迫感が悲しいほど伝わってきました。 『蟹工船』 に通じるものがあるかも。

 監督はアンリ=ジョルジュ・クルーゾー。もうひとつの代表作 『情婦マノン('49)』 や指揮者カラヤンの映像作品でも有名ですが、小技が過ぎる映像編集が鼻についてあまり好きじゃない人。
 主演はシャンソン界の巨星イヴ・モンタン。学生時代、彼の名曲 『枯葉』 でフランス語の発音の勉強をしたものです。


 ・・・その学生時代以来2度目の鑑賞でしたが、観てよかった。公開当時の映画青年たちに強く支持されたゆえん、ただのスリル映画じゃないことに気付けました。
 (NHK-BSの日本語訳はこんなものなのかなぁ? もっと話を盛り上げられそうだが。英語版から訳しているのだろうか。)

 
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