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【全世界音楽】 2012.10.23 (Tue)

はじめての『アビイ・ロード』

アビイ・ロード (20トイカメラ風)


  今2012年10月5日は、ザ・ビートルズのレコードデビュー50周年だそうです。
 『アビイ・ロード』 はそれから7年後の1969年、バンドの最後につくられた彼らの最高傑作のひとつ。衰退ではなく頂点で解散を迎えたことで、ビートルズは神話になりました。

 ぼくがまともにこのアルバムを聴いたのは、2008年のリマスター発売ごろ。そんなヒヨっ子の 「はじめてのアビイ・ロードかんそうぶん」 です。

 やっぱり圧巻は、後半のメドレー。 「未完成曲の寄せ集め」 とつれないジョンの指摘はごもっともですが、稀代のメロディメーカー、ポールのとめどない感性があふれる、すばらしい旋律ばかり。 時代はジョンの荒々しく尖った曲調が受けたのでしょうが、ポールのメロディにはそれとは違う、普遍的な美しさがあります。


 『ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー』・・・「♪あんたは金を払わない」 は、アップル・レコードの経営難を歌ったもの。 たわむれに弾いてたわむれに口ずさんだ恨み節を、そのまま一曲にしたのでしょうか。 それでもせつない大人のメロディが胸にしみ入る。

 『ゴールデン・スランバーズ』 はイギリスの古い子守唄がベース。「ララバイ」 は子供や恋人のためではなく、終わりゆく自分たちビートルズへのなぐさめか。「子守唄」 というより 「鎮魂歌」 に聴こえます。

 そのままサビとして 『キャリー・ザット・ウェイト』に突入!
 バンド内の不和、独立レーベルの不振、不透明な未来・・・、「重荷を背負って」 でも前に進まなければならない。 力強いユニゾンは彼ら自身の覚悟を問うもので、高らかではあるが壮絶だ。

 ここでもう一度 『You never…』 の主題が現れる。メドレー形式のスケール感と必然性が強調されていて、じーんと感動。

 なお途中の軽快な曲群、彼らのどこか冷めた諧謔はぼくにはまだ価値が分からない。 Mr.マスタードとか 「バスルームに入ってきた」 とか。 交響曲でいう 「スケルツォ」 みたいなものだろうか・・・。



 4人なのに 「1たす1たす1は3 (『カム・トゥゲザー』)」・・・もはや修復不可能なメンバーの亀裂が節々にあらわれる作品づくり。
 「みんな仲良く 『オクトパス・ガーデン』 に行こう!」 とおどけて歌うリンゴの気遣いが、かえって痛々しく感じます。 名作 『アビイ・ロード』 を陰で支えていたのは、実はこの曲だったのでは?とすら思えてきました。

 
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