【ヒッチコック全作品】 2012.08.26 (Sun)
『サボタージュ (1936英)』

≪感想 (※ネタバレあり)≫
ヒッチ自身も悔いているように、映画の中とはいえ子供を殺すことに関しては問題があるが、そのシーン、「時計」と「少年」と「包み」を順に見せて時限爆弾の緊張を盛り上げるのは、ほれぼれするようなスリル演出のお手本 (しかも、当の少年は少年で、命じられたお使いの時間に遅れないか焦っているのだ!)。
そのあと一言も発することなく復讐までもっていく、ヒロインの心理と行動の描写もさすが。(-‐-いつもの、ただのナイフが凶器になることに気付いた瞬間。良心と復讐心の狭間で揺れ動く手の動き-‐-) 派手なカメラワークだけではない、見る人すべてに意図が伝わる映像演出の確かさ・丁寧さにこそ、ヒッチコックが巨匠たるゆえんがある。
また夫のためらい、焦り、見苦しい言い訳など、憎むべき犯罪者の側の人間像にも血が通っていてリアルだ。
イギリス時代の作品で一番好きかも。
A・ヒッチコック監督第20作 『サボタージュ (1936英)』
出演/シルヴィア・シドニー (シルヴィア)
オスカー・ホモルカ (ヴァーロック)
ジョン・ローダー (スペンサー刑事)
デズモンド・テスター (スティーヴ)
≪あらすじ≫
シルヴィアの夫ヴァーロックは、映画館主に名を借りた破壊工作員。しかしスペンサー刑事に追い詰められた彼は、シルヴィアの弟スティーヴに爆弾を託す。何も知らないスティーヴ少年は・・・。
≪解説≫
明るい市民生活にひそむ恐怖の影を描く。
社会不安を煽るとして軍政日本やブラジルなどでは劇場公開が大きく遅れたが、ヒッチの優れた演出力をあらわす秀作として、今日では企画上映やヒッチを取材したドキュメンタリーなどでしばしば取り上げられている。
≪ヒッチはここだ!≫
不明。 (wikipedia には 「9分ごろ、停電から復旧した瞬間、明かりを見上げて左に見切れていく通行人」 とあるが、本当にこれか??)
『SABOTAGE』
監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/チャールズ・ベネット
原作/ジョセフ・コンラッド
撮影/バーナード・ノウルズ
音楽/ルイ・レヴィ
製作/マイケル・バルコン
ゴーモン・ブリティッシュ社 76分
【続き・・・】
冒頭の辞書の抄訳・・・「建物や機械類を故意に破壊して、人々を警戒させたり、社会の不安をあおること」
労働者運動における破壊行為や職務の遅延・放棄を意味する 「サボタージュ」 から、「さぼる」 という日本語が生まれた。
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