【ヒッチコック米時代】 2012.06.05 (Tue)
『スミス夫妻 (1941米)』

≪感想≫
イギリス時代の夫婦コメディ 『リッチ・アンド・ストレンジ('32)』 からそうでしたが、奇人ヒッチが描くキャラクターは奇抜すぎ。ハイテンションな雰囲気は楽しいが、それぞれの言動が極端すぎて共感できませんでした。
妻のキャラクターは「自分を一番大事にしてほしい」一辺倒で、女心の機微や自立した人格にまで踏み込んでいるわけではない。「女は可愛いけどめんどくさいもの」という、しょせん男の発想、男の願望どまり。そういう古い軽い作品。
A・ヒッチコック監督第26作 『スミス夫妻 (1941米)』
出演/キャロル・ロンバード (アン・スミス)
ロバート・モンゴメリー (デヴィッド・スミス)
ジーン・レイモンド (ジェフ・カスター)
≪あらすじ≫
アンとデイヴィッド、周りもあきれるほどアツアツのスミス夫妻。ところがある日、役所の手違いでその結婚は無効だったと分かる。ふたりは晴れて「二度目の結婚」に至るのだが、もう一度新婚当初のドキドキを味わいたかったアンと、単に事務的な手続きに過ぎないと思っていたデイヴィッド・・・。ふたりの感情はややこしくこじれていく。
≪解説≫
ヒッチにはめずらしい(アメリカでは唯一の)純コメディ作品。俳優クラーク・ゲーブルと新婚ホヤホヤだったC・ロンバードに頼まれるまま、脚本どおりにさっさと撮りあげた・・・とはヒッチ本人の弁だが、実際はかなりノリノリで作っていたとか。
ちなみにデイヴィッド役のモンゴメリーは、あの名作TVドラマ 『奥様は魔女』 サマンサ役で有名なエリザベス・モンゴメリーの父。
≪裏話≫
この頃、感情的な「俳優は家畜だ」発言で物議をかもす。(後に「厳しく接するべき」という意味だと弁明。)
ただでさえ根暗なイギリス人ヒッチには、アメリカ流の気安くくだけた態度が軽薄に映ったのだろう。もっとも当のハリウッド俳優たちは、「人格より才能」を重んじる実力社会ならではの鷹揚さで、ヒッチの演出力と現場運営力に敬意を払い続けた。とはいえ、アカデミー賞など人徳がものをいう舞台では、圧倒的に不利だったことは想像に難くない。
≪ヒッチはここだ!≫
45分ごろ、デヴィッドと友人がにらみ合いながらアン宅を後にするシーンで、アパートメントの前を横切る。
『MR. AND MRS. SMITH』
監督・製作/アルフレッド・ヒッチコック
原案・脚本/ノーマン・クラスナ
撮影/ハリー・ストラドリング
音楽/ロイ・ウェッブ
製作/ハリー・E・エディントン
RKO 95分
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