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【めざせ東大 !?】 2012.02.02 (Thu)

ハプスブルク家の下唇

マクシミリアン1世一家


 600年の長きにわたって、ヨーロッパに君臨した名門ハプスブルク家。
 「戦争は他国にまかせ、汝は結婚せよ」 という家訓のもと、巧みな政略結婚を重ねて勢力を拡大していったのですが、歴代の王たちの肖像画を見ると、みんなアゴが出ています。
 「ハプスブルクの下唇」 と呼ばれた同家の遺伝なんだそうです。


『マリー・アントワネット』ダヴィッド
(処刑寸前のアントワネット。
ナポレオン画で有名なJ・L・ダヴィッドの筆。)

 かのマリー・アントワネットも、オーストリア=ハプスブルク家出身。 華やかなりしうちは美化して描かれていましたが、もう遠慮する必要のない処刑寸前のスケッチ画には、しっかり 「受け口」 に描かれているのがつれない。
 『ベルばら』 ファンの夢も台無しです。


☆  ★  ☆  ★


スペイン=ハプスブルグ家
(スペイン=ハプスブルク家、カルロス以下歴代の5王)


 さかのぼって16世紀、「無敵艦隊」「日の沈まぬ帝国」 時代を築き上げたスペイン分家においては、アゴの遺伝も急成長を遂げます。
 何よりまず、初代のカルロス1世がすごいのだから! (上の肖像画左端。そしてこの記事いちばん上の絵、中央にいるのが少年期のカルロス。)

 ただ、べつにアゴを笑いたいわけではありません。

 このスペイン=ハプスブルク家は、どこまでも家柄と宗教(カトリック)重視。
 高貴なる一族の血を守るため、同族どうしの近親婚を重ねに重ねたのです。 実のおじと姪の結婚など当たり前で、最後の王カルロス2世などは、指数の上では親子・きょうだい婚より濃いとされたくらい。(肖像画右端。下の家系図。)


スペイン=ハプスブルグ家系図
(スペイン=ハプスブルク家系図。wikipedia)



 本来なら 「末広がり」 たるべき家系図がその逆、最後のカルロス2世に収束していくこの異常さ!

 そんな忌まわしき近親婚の弊害として代々、心身の疾患が続発。そのあまりに痛ましい実態はここでは言いませんが、もはや子をもうけて血をつなぐためだけにあった哀れなマシーンたちは、最後には子も成せずまともな生活すら出来ず、5代184年で断絶しました。
 当時は他の王室も近親婚がひどかったそうですが、彼らほどではなかった。 血にこだわるあまり血を滅ぼしたスペイン=ハプスブルク家の、 「結婚」 という家訓にとりつかれた呪いとでも言えるでしょうか。

 時代を下るごとに生気を失っていく肖像画。 これでも相当に美化されていただろう、不健康きわまる彼らの顔かたちに思いを馳せるたび、背筋が冷たくなるのです。
 

【続き・・・】

☆  ★  ☆  ★

 一方、本家のオーストリア=ハプスブルク家も近親婚が続きましたが、独墺の群雄割拠状態が幸いしたのか、適度に外の血が加わっていきます。「ハプスブルクの下唇」 はスペイン分家ほどではなし。

 その後、「女帝」 マリア・テレジアやくだんのマリー・アントワネット、「最後の皇帝」 フランツ・ヨーゼフらを経て、第1次大戦の敗北でハプスブルク帝国は解体しましたが、同家の 「高貴なる青い血筋」 は現在も脈々と・・・。 当主の方はいま欧州議会の要職にあるのだそうです。
 ちなみにアゴはふつうでした。(日本のテレビの取材に、ご本人も「普通でしょ?」と笑っていらした。)

 
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