【ヒッチコック米時代】 2012.02.05 (Sun)
『舞台恐怖症 (1950米)』

≪感想 (※ネタバレあり)≫
ヒッチ自身も認めているが、男の回想はウソだった、というのは映画のルールを破るアンフェアなやり方。
そうでなくとも芝居がかったセリフが回りくどく、ストーリーは煩雑なくせにスリルや冒険は低調。ヒロインが素性を隠し通すことや、真相が明かされてからの展開などに驚きがない。年寄りくさいイギリス流の作劇。
A・ヒッチコック監督第36作 『舞台恐怖症 (1950米)』
出演/ジェーン・ワイマン (イヴ・ギル)
マレーネ・ディートリッヒ (シャーロット・インウッド)
リチャード・トッド (ジョナサン・クーパー)
マイケル・ワイルディング (スミス刑事)
アラステア・シム (イヴの父)
≪あらすじ≫
夫を殺したという舞台女優シャーロットが、愛人ジョナサンのもとに転がり込んでくる。ジョナサンは彼女のために偽装工作をするが、それがもとで警察に追われる身に。演劇学校に通うイヴは友人の汚名を晴らすため、シャーロットの家に単身乗り込んでいく。
≪解説≫
芝居を生業とする者たちの、複雑な化かし合いが展開。 大女優ディートリッヒが貫禄の演技。
ヒッチは前作 『山羊座のもとに』 に続いて故郷ロンドンで撮影。イギリス風のミステリー脚本に、イギリス人俳優のイギリス演劇風の芝居などイギリスづくしだが、同時に郷愁〈ノスタルジー〉からの卒業でもあった。以後ヒッチはアメリカ流の娯楽と冒険道にまい進し、その黄金時代を築き上げる。次にイギリスで撮影するのは晩年の 『フレンジー('72)』。
≪裏話≫
妻アルマ・レヴィルの名がクレジットされるのは、本作が最後。イギリス映画界では監督進出も期待された俊才だったが、彼女にはあまり野心がなかったようだ。 渡米後はヒッチの給料を上乗せさせるための、ほとんど名前だけのクレジットもあったが、引き続き脚本の手直しなどでヒッチを公私に支えていく。
脚本作りやラッシュ(試写)で、アルマの意見に全幅の信頼を寄せていたヒッチ。 ふたりは“夫婦”というより“同志”のような関係だったそうだ。
≪ヒッチはここだ!≫
40分ごろ、ブツブツとセリフの練習をするヒロインとすれ違って振り向く。
『STAGE FRIGHIT』
監督・製作/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/ウィットフィールド・クック (構成/アルマ・レヴィル)
原作/セルウィン・ジェブソン
撮影/ウィルキー・クーパー
音楽/レイトン・ルーカス (ディートリッヒの歌はコール・ポーターらの曲)
製作/フレッド・アハーン
ワーナー 110分
【続き・・・】
日本語字幕は相変わらずヘタくそ。 DVD特別版。「キレる」 という翻訳があったが、1950年当時の言葉ではない。
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