FC2ブログ

【エンタメ&テレビ】 2011.12.14 (Wed)

ウルトラセブン第37話≪盗まれたウルトラ・アイ≫


ウルトラセブン(仮png60)
っぽい自作

 市川森一トリビュート②
 ウルトラセブン 第37話 ≪盗まれたウルトラ・アイ≫


 未確認飛行物体を調査中のダン隊員は謎の美少女に襲われ、変身アイテム 「ウルトラアイ」 を盗まれてしまう。その少女マゼラン星人マヤは、地球侵略を企む宇宙人一派の先兵だったのだ。
 しかし少女は見捨てられていた。地球は侵略の価値なしとみなされ、彼女を残したまま星ごと爆破されそうになる。よみがえったセブンの活躍で地球は救われるが、「この星で一緒に生きよう」というダンの呼びかけも空しく、少女はみずからの命を絶つのだった。


 侵略者の少女とモロボシ・ダンの、人間には聞こえないテレパシーでの対話。異国に取り残された者とすでに異国に生きる者・・・、都会の喧騒の中でも孤独な異邦人の葛藤が浮き彫りにされる。
 『ウルトラセブン』 は「祖国」 と 「よそ者」 の矛盾・隔絶にせまった名エピソードが多いが (メインライター金城哲夫さんの 「沖縄観」 が影響しているとかしないとか)、脚本の市川森一さんもその意向を受けての着想か。

 「自分は祖国に裏切られた」 と知った少女は、驚いたり取り乱したりすることなく、ただ静かに、盗んだウルトラアイをダンの目にかけてやる。 変身音とともに飛び立つウルトラセブン・・・。
 ダンが他人の手によって変身したのはこれっきりではないか。 ダン目線で装着されるおなじみのカメラ演出が、いつもとは違った情感で切なかった。

 ラストは、にぎやかな夜の歓楽街を後にするダン。
「なぜ、他の星ででも生きようとしなかったんだ。ぼくだって、同じ宇宙人じゃないか・・・」
 たしかに少女の最期は悲劇だが、じゃあモロボシ・ダン、あんたは幸せなのか? ・・・そんな、自問自答しながらも前に進むしかない異邦人の苦悩を、誰がくみ取ってやれるだろう。

 まがまがしい怪獣や宇宙人はいっさい登場しない、セブンの格闘も必殺技もない一編。
 おそらく予算節約のための作りで、当時の子供たちからは間違いなく好かれなかっただろう。だが同様の手法で描かれた第43話 『第四惑星の悪夢』 (川崎高・上原正三脚本) や、名作として名高い第42話 『ノンマルトの使者』 (金城脚本) と並ぶ、大人になった今だからこそ心に残る名作になった。
 1968年。

 監督/鈴木俊継
 脚本/市川森一

 
関連記事
00:26  |  エンタメ&テレビ  |  コメント(0)  |  EDIT  |  上へ↑

*Comment

コメントを投稿する (ログイン不要/コメントは承認後に表示されます)

URL  未記入でもOK
コメント
パスワード  あなたの編集・削除用。適当な文字を。
内緒  管理人だけに表示
 

▲PageTop