【ヒッチコック米時代】 2011.12.16 (Fri)
『泥棒成金 (1955米)』

≪感想≫
「太ももと胸、どちらがお好き?」…実はチキンの話でした。そんなオトナの火遊び<アバンチュール>にうっとり。
水面に映えるG・ケリーが最高に美しい! それから濃厚で色鮮やかな南仏の風景も。そして花火とキス! ・・・この時代のカラー映像は、太陽の下に惜しげもなく広げた油絵のようです。オスカー獲るだけのことはあります。
この際ストーリーは二の次。アメリカもハリウッドもヒッチも黄金期、幸福な時代の幸福な娯楽作。 大好きな作品のひとつです。
パラマウント社の最新DVDパケは色調が下品。上のポスターのような古式ゆかしさのかけらもない。FOXドラマと一緒にしないでほしい。
A・ヒッチコック監督第41作 『泥棒成金 (1955米)』
出演/ケイリー・グラント (ジョン・ロビー)
グレース・ケリー (フランシー・スティーヴンス)
ブリジット・オーベール (ダニエル)
ジェシー・ロイス・ランディス (母スティーヴンス夫人)
シャルル・ヴァネル (ベルタニ)
≪あらすじ≫
“怪盗キャット”ことジョン・ロビーは、今ではすっかり足を洗い、風光明媚なコート・ダ・ジュールで悠々自適の生活を送っていた。ところがキャットの手口を真似た泥棒が現れ、警察からにらまれる羽目に。不当な容疑を晴らすべく、富豪スティーヴンス母娘の警護を買って出るロビー。やがて彼は美しき令嬢フランシーと恋に落ちる。
≪見どころ・裏話≫
美しい南仏の風景をバックに、ハリウッドきっての美男美女が交わす軽妙な会話…おしゃれこのうえないロマンティック・サスペンス。ヒッチ初のワイドスクリーン作品。
ヒッチは以後すべての作品をグレース主演で撮りたいとまで惚れこむが、グレースはこの撮影の前後にカンヌ映画祭に出席、そこで後の夫君になるモナコのレーニエ公と出会うことになる。
アカデミー・カラー撮影賞受賞 (ほか美術、衣装賞ノミネート)。撮影のR・バークスは、『見知らぬ乗客('51)』 から(『サイコ』をのぞいて)『マーニー('64)』 まで、ヒッチの黄金時代を支えた最高の右腕。
豪華な南仏ロケをしているのに、車の運転シーンはわざわざいつもの 「スクリーン・プロセス(背景合成)」 撮影。 ヒッチコックといえばスクリーン・プロセス。 本人は大の旅行好きだったが、ロケのリアル感より、作りものであっても銀幕の夢世界を追求するヒッチの、昔かたぎのこだわりがうかがえる。
≪この頃・・・≫
1955年4月20日、ヒッチはアメリカ国籍を取得。 渡米後まもなく帰化した妻アルマと娘パトリシアから遅れること10余年。本人は 「裁判所に出向いて宣誓するのがめんどくさかった」 とはぐらかしている。
同年10月、TVドラマ 『ヒッチコック劇場』 シリーズが放送開始。ヒッチは演出および番組ホストとしてお茶の間の人気者に。
≪ヒッチはここだ!≫
10分、バスの中、K・グラントの横にちゃっかりと!ふたりの仏頂面がおかしい。
(※技ありから超難問まで、いろんなチョイ役出演がありますが、これが一番好き!)
『TO CATCH A THIEF』
製作・監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/ジョン・マイケル・ヘイズ
原作/デヴィッド・ドッジ
撮影/ロバート・バークス (アカデミー撮影賞受賞)
美術/ハル・ペレイラ、ジョセフ・マクミラン=ジョンソン (美術賞候補)
衣装/イーディス・ヘッド (衣装賞候補)
音楽/リン・マーレー
パラマウント 106分
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