【ヒッチコック米時代】 2011.12.04 (Sun)
『ハリーの災難 (1956米)』

≪感想≫
やりたいことは分かるのだけれど、コメディとしては笑えないし、サスペンスとしてもハラハラしない。登場人物や舞台がのんびりしているのはいいが、映画作品としての躍動感までのんびりする事とは違う。
でも、あっちを立てればこっちが立たず、七転八倒の騒動は三谷幸喜ふう。まだ脂が乗っていた頃の三谷さんにリメイクしてほしかったです。
A・ヒッチコック監督第42作 『ハリーの災難 (1956米)』
出演/エドマンド・グェン (“船長”アルバート・ウィルズ)
ジョン・フォーサイス (サム・マーロウ)
シャーリー・マクレーン (ジェニファー・ロジャース)
ジェリー・マザーズ (息子アーニー・ロジャース)
ミルドレット・ナトウィック (ミス・グレイヴリー)
フィリップ・トリュクス (ハリー・ウォープ) =ノンクレジット
≪あらすじ≫
紅葉美しいバーモントの森に、3発の銃声が響き渡った。そして山中に男の死体が・・・。男の名はハリー。禁猟中の森で狩をしていた“船長”ウィルズ、ハリーの前妻ジェニファーら、それぞれ思うところのある村人たちは、事件を隠そうとあれこれ策をめぐらせる。
≪見どころ≫
少々ブラック&シュールな、ほのぼのミステリー。 美しくのどかな田舎に不釣り合いな死体のアンバランスと、死体を前にしてなおのどかな人々のアンバランス。 死体さんにとってはまったく災難なタイトルにもクスリとさせられる。
後の名優S・マクレーンが若い母親役で映画デビュー。コメディエンヌとして当時から抜群にカンが良かったそうだ。
また音楽のB・ハーマンがヒッチコック作品初参加。ヒッチ黄金時代を支える最大の盟友に。
≪裏話≫
1955年、ヒッチは本作の宣伝のため初来日 (自身は本作を気に入っていたが、興行の成功には自信がなかったからという話も)。このとき和食の名店に招待されながら、大好物のステーキを店に出前させたという。(・・・宣伝や会議にはまじめに参加していたそうだが、食に関しては世界の行く先々に好物を空輸させるほど、とにかくうるさかった。)
≪ヒッチはここだ!≫
20分ごろ、露店のサムの絵に見入る老人の高級車の向こうに。難易度高し。
『THE TROUBLE WITH HARRY』
製作・監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/ジョン・マイケル・ヘイズ
原作/ジャック・トレヴァー・ストーリー
撮影/ロバート・バークス
タイトル・イラスト/ソール・スタインバーグ (ノンクレジット)
音楽/バーナード・ハーマン
パラマウント 99分
- 関連記事
-
- 『泥棒成金 (1955米)』
- 『ハリーの災難 (1956米)』
- 『知りすぎていた男 (1956米)』