【日本映画】 2011.04.03 (Sun)
日米競演 『Shall we ダンス?』

日本版だと思っていたら、'04年にリメイクされたアメリカ版。今回はじめて観ました。
主演/リチャード・ギア (はじめからカッコよすぎ。凡々な感じがほしい)
ジェニファー・ロペス (せくしー)
スーザン・サランドン (アメリカ版は、妻の存在をより前面に)
監督/ピーター・チェルソム (知らない人)
リメイクはずいぶん日本版に忠実なつくりでした。
ただし 「社交ダンス」 というテーマに、自分から型にはめてしまった感じ。 キャラクターが小ギレイ過ぎ。 笑いの要素も薄く、年寄り向けで退屈だった。
保守的な日本人にはいいかもしれません。
新たに加えられた、バラを手にしたR・ギアが妻を迎えに行くシーンのように、どうせならとことんアメリカナイズすれば良かったのに。 日本人に合わせて酷評されないよう気を使っている、ハリウッドの力の低下が透けて見えた。
毒気のない、まじめな作りではあります。
続けざまに、昔録画した日本版を観ました。1996年。
監督・脚本/周防正行
主演/役所広司 (この人は何やらせてもハマる。上手いなあ。)
草刈民代 (デビュー作なのでヘタを責める気はないが、最優秀女優賞はないだろうと当時思った)
竹中直人 (「ガッ!・・・ガッ!」 )
渡辺えり (ポケモンにいそう)
登場人物の動機や成長が、無理なく織り込まれた脚本。とても丹念に計算深く作られていて巧い。 セリフ回しが芝居くさくはあるが、周防監督の職人的なセンスは経験のなせる業。
「年寄りのイヤらしい趣味」 とすら思われていた日本の社交ダンスに光を当て、そのイメージをまるまる180度変えてしまった功績は計り知れない。
公開当時は 「まあ面白い、よくできた娯楽映画」 程度の印象だったのですが、映画もテレビもつまらなくなった今日では、思いのほか輝いて見えました。
物語のベースである 「仕事も家庭も順調、マイホームという未来も手に入れた男が抱く、どこか満たされない想い」、・・・今となってはそれすらおとぎの話に聞こえるからかもしれません。
脇を固める竹中直人&渡辺えり子らが、今も昔も最高! あのキモハゲ感、あの手足の短さは求めてマネできるものではない!(おふた方ゴメンなさい・・・)
来2012年お正月にNHK-BSでやってくれるそうなので、これはぜひ録画し直します。
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