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【『ガラスの仮面』全巻】 2019.09.08 (Sun)

ガラスの仮面第11巻≪亜弓版 『奇跡の人』≫

美内すずえ 『ガラスの仮面』 第11巻 ≪炎のエチュード(2)≫

ガラスの仮面~マヤ(白目・光)

 【マヤと亜弓のWキャスト!】

 『奇跡の人』 ヘレン・ケラー役の最終テスト。耳の聞こえないヘレンになりきって、突然の非常ベルにも動じないマヤと亜弓に軍配。サリバン役・姫川歌子の決断で、マヤと亜弓のWキャストに決定。


 「自分を忘れて別人物になりきる」マヤと、「理性的に演技を貫く」亜弓の資質の違いが初めて語られる。マヤを前にして 「どうしようもない不安感」 に駆られる亜弓。彼女が人間的な弱さを見せるのはほぼ初めてで、マヤに並ぶ「ガラかめW主役」として深い人間性を帯びていくのと同時に、後の重要なテーマ 「天才型のマヤ」「努力型の亜弓」 の対比につながっていく。
 一方、逆転で敗れてそれっきりの金谷英美。 「このまま捨てるにはおしい素材だ」 ←作者にそっくり言い返したい。
 (文庫版第6巻おわり)



 【稽古~それぞれの「奇跡の瞬間」】

 稽古場。母娘の情を捨てて迫真の演技をぶつけあう姫川歌子と亜弓。一方、マヤの演技は荒削りで型破りながら、歌子をして 「この子の演技にひきずられる」 と怖れさせる。

 物語のハイライト 「Water!」 の演技を研究するふたり。亜弓は洗濯機での感電で、マヤは顔にぶつかった水ヨーヨーの破裂で、ヘレン・ケラー 「奇跡の瞬間」の表現を獲得する。


  大福もち!


 ≪今週の真澄さま≫
 記者会見の場で敵意をあらわにするマヤに、芸能界の礼儀をきびしく教え諭す。

 ≪今週の桜小路くん≫
 久々登場。マヤとの再会でどぎまぎするふたり。絵には作者の愛情がこめられているようだ(竹宮惠子っぽい)。この頃になると絵に力を入れる場面と力を抜く場面を、のらりくらりと描き分けている。





 【亜弓版 『奇跡の人』】

 いよいよ 『奇跡の人』(ウィリアム・ギブスン原作) 開演。まずは亜弓版。

 あらすじ・・・目、耳、声に障がいを持つ「三重苦」の少女ヘレン・ケラー。その家庭教師としてアニー・サリバンが赴任する。サリバンは指文字や学問を教えるかたわら、野放図に育ったヘレンに厳しいしつけをほどこす。長く苦しい格闘の末、ヘレンは手に「水」がふれた瞬間、「water」 の言葉を発するのだった。


 鼻血のアクシデントも美しく見せる亜弓の舞台センス! これぞ正統派ヘレン・ケラー! 単純に 『奇跡の人』 マンガとして大いに感動した。連載も3年目に入り、マンガ演出の脂がのりにのっている。すべての劇中劇の中でも1、2の「My 亜弓ベスト」。

 なお、本作や映画などで語られているヘレンとサリバンの壮絶な格闘劇は、ほとんど大げさに脚色したものらしい。また本来 「奇跡の人 (The Miracle Worker)」 とは、奇跡を働きかけたサリバンのほうを指すのだそうだ。

 …次12巻はマヤ版 『奇跡の人』 開演。そしてもうひとつの対決?「たい焼き大食い決定戦」を!

 
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